• "公契約条例"(/)
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  1. 埼玉県議会 2017-02-01
    02月28日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    平成29年  2月 定例会二月定例会  第九日(二月二十八日)平成二十九年二月二十八日(火曜日)第九日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案の提案説明に係る修正の報告 三 本定例会に提出された請願の報告 四 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問    六十九番  岩崎 宏議員    二十九番  水村篤弘議員    四十三番  権守幸男議員 五 次会日程報告    三月一日(水) 午前十時開議、質疑質問続行 六 散会          ----------------本日の出席議員    九十名       二番  金子 勝議員       三番  大嶋和浩議員       四番  松坂喜浩議員       五番  木下博信議員       七番  美田宗亮議員       八番  吉良英敏議員       九番  松澤 正議員       十番  宇田川幸夫議員      十一番  浅井 明議員      十二番  山根史子議員      十三番  江原久美子議員      十四番  前原かづえ議員      十五番  金子正江議員      十六番  並木正年議員      十七番  石川忠義議員      十八番  井上 航議員      十九番  中川 浩議員      二十番  飯塚俊彦議員     二十一番  横川雅也議員     二十二番  内沼博史議員     二十三番  杉島理一郎議員     二十四番  岡田静佳議員     二十五番  神谷大輔議員     二十六番  細田善則議員     二十七番  安藤友貴議員     二十八番  井上将勝議員     二十九番  水村篤弘議員      三十番  高木真理議員     三十一番  秋山文和議員     三十二番  菅原文仁議員     三十三番  岡 重夫議員     三十四番  清水義憲議員     三十五番  永瀬秀樹議員     三十六番  板橋智之議員     三十七番  日下部伸三議員     三十八番  小久保憲一議員     三十九番  立石泰広議員      四十番  新井 豪議員     四十一番  荒木裕介議員     四十二番  岡地 優議員     四十三番  権守幸男議員     四十四番  萩原一寿議員     四十五番  山本正乃議員     四十六番  木村勇夫議員     四十七番  村岡正嗣議員     四十八番  醍醐 清議員     四十九番  柿沼トミ子議員      五十番  白土幸仁議員     五十一番  山下勝矢議員     五十二番  小川真一郎議員     五十三番  齊藤邦明議員     五十四番  武内政文議員     五十五番  中野英幸議員     五十六番  須賀敬史議員     五十七番  新井一徳議員     五十八番  沢田 力議員     五十九番  藤林富美雄議員      六十番  塩野正行議員     六十一番  菅 克己議員     六十二番  田並尚明議員     六十三番  柳下礼子議員     六十四番  鈴木正人議員     六十五番  中屋敷慎一議員     六十六番  木下高志議員     六十七番  石井平夫議員     六十八番  諸井真英議員     六十九番  岩崎 宏議員      七十番  土屋惠一議員     七十一番  高橋政雄議員     七十二番  田村琢実議員     七十三番  伊藤雅俊議員     七十四番  神尾高善議員     七十五番  石渡 豊議員     七十六番  蒲生徳明議員     七十七番  浅野目義英議員     七十八番  畠山 稔議員     七十九番  小林哲也議員      八十番  本木 茂議員     八十二番  荒川岩雄議員     八十三番  鈴木 弘議員     八十四番  齊藤正明議員     八十五番  小島信昭議員     八十六番  鈴木聖二議員     八十七番  小谷野五雄議員     八十八番  長峰宏芳議員     八十九番  野本陽一議員      九十番  福永信之議員     九十一番  西山淳次議員     九十二番  吉田芳朝議員     九十三番  山川百合子議員   欠席議員    一名     八十一番  宮崎栄治郎議員地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   上田清司  知事   塩川 修  副知事   岩崎康夫  副知事   中原健一  企画財政部長   飯島 寛  総務部長   稲葉尚子  県民生活部長   槍田義之  危機管理防災部長   宍戸信敏  環境部長   田島 浩  福祉部長   三田一夫  保健医療部長   立川吉朗  産業労働部長   河村 仁  農林部長   浅井義明  県土整備部長   福島浩之  都市整備部長   伊東弘道  会計管理者   奥野 立  公営企業管理者   名和 肇  病院事業管理者   粟生田邦夫 下水道事業管理者   関根郁夫  教育長   細田徳治  選挙管理委員会委員長   貴志浩平  警察本部長             発言(質問)通告書  二月二十八日(火)議席番号 氏名      要旨 答弁者六十九番 岩崎 宏議員  1 初心忘るべからず 知事             2 秩父の地層・鍾乳洞の調査と観光振興について              (1) 奥秩父の鍾乳洞の学術調査について 教育長              (2) 山中地溝帯の学術調査について 〃              (3) SAITAMAプラチナルートの拡張について 産業労働部長             3 中小企業・小規模事業者の振興について 産業労働部長              (1) 経営革新計画承認制度における企業への優遇措置について              (2) 地域資源を活用した商品開発・販路開拓への支援について             4 県産木材の利用促進について 農林部長             5 獣害対策について 農林部長             6 秩父高原牧場を生かす山の駅の整備について 農林部長             7 地元問題について 県土整備部長              (1) (仮称)長尾根トンネルの事業化について              (2) 県道皆野両神荒川線の整備について              (3) 県道長瀞玉淀自然公園線の整備について二十九番 水村篤弘議員  1 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに関する諸問題について 知事             2 実効性のある少子化対策について 知事             3 保育ニーズの正確な把握と休日保育の充実について 知事             4 子ども食堂の取り組みを広げよう 福祉部長             5 福祉行政のあり方について 福祉部長             6 介護認定審査日数の短縮と介護職員の負担軽減策について 福祉部長             7 精神障がい者の雇用について 産業労働部長             8 公共サービス基本条例について 企画財政部長             9 中学生の防災訓練への参加を 教育長 危機管理防災部長             10 大型物流倉庫の火災対策について 危機管理防災部長             11 台風九号の被害から               ~今夏の豪雨への備えは万全か~ 県土整備部長四十三番 権守幸男議員  1 春日部駅付近連続立体交差事業について 知事             2 公立高校受検における体調不良者等への対応について 教育長             3 県営住宅における諸課題について 都市整備部長             4 福祉人材の確保策について 福祉部長             5 犬猫の殺処分ゼロを目指して 保健医療部長             6 災害時のペット対策について 保健医療部長             7 「車中泊」避難対策について 危機管理防災部長             8 小型無人機「ドローン」の活用について 危機管理防災部長             9 障がい者の方などにとって分かりやすい選挙の実施について 選挙管理委員会委員長             10 地元問題について 県土整備部長              (1) 県道西金野井春日部線の整備について              (2) 一級河川・新方川の整備について          ----------------午前十時四分開議 出席議員    八十九名     二番    三番    四番    五番     七番    八番    九番    十番    十一番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十五番  二十六番   二十七番  二十八番  二十九番   三十番   三十一番  三十二番  三十三番  三十四番   三十五番  三十六番  三十七番  三十八番   三十九番   四十番  四十一番  四十二番   四十三番  四十四番  四十五番  四十六番   四十七番  四十八番  四十九番   五十番   五十一番  五十二番  五十三番  五十四番   五十五番  五十六番  五十七番  五十八番   五十九番   六十番  六十一番  六十二番   六十三番  六十四番  六十五番  六十六番   六十七番  六十八番  六十九番   七十番   七十一番  七十二番  七十三番  七十四番   七十五番  七十六番  七十七番  七十八番   七十九番   八十番  八十二番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名   八十一番  八十三番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(塩川)  副知事(岩崎)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者  下水道事業管理者   教育長      警察本部長 △開議の宣告 ○石井平夫副議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ----------------知事提出議案の提案説明に係る修正の報告 ○石井平夫副議長 この際、報告をいたします。 去る二月二十日における知事提出議案の提案説明の修正箇所につきまして、知事から資料の提出がありましたので、お手元に配布しておきましたから、御了承願います。〔参照-(五九二)ページ〕          ---------------- △本定例会に提出された請願の報告 ○石井平夫副議長 次に、本定例会に提出された請願につきましては、請願文書表としてお手元に配布しておきましたので、御了承願います。〔参照-(五八三)ページ〕          ----------------知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○石井平夫副議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 六十九番 岩崎宏議員       〔六十九番 岩崎宏議員登壇〕(拍手起こる) ◆六十九番(岩崎宏議員) おはようございます。六十九番、自由民主党議員団、岩崎宏です。 北二区、小鹿野町、横瀬町、皆野町、長瀞町、そして埼玉唯一の村、東秩父村、以上四町一村から選出いただいております。どうか執行部の方々には力強い御答弁をお願いいたします。 思えば、私が埼玉県議会議員になりましてちょうど十年になります。この十年がたとうとしております今回は、十年の節目として、この十年を振り返る検証として質問をさせていただきます。 それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。 まず、初心忘るべからずについて伺います。 私が県議会議員になりましたのは平成十九年四月、それから十年がたちます。この十年を検証してみますと、大きく前進したものもあれば、道半ばのものもありますが、私は一貫して、強い秩父をつくるために取り組んでまいりました。県内でも、南部地域と秩父地域とでは地域間格差があり、それをどう解消していくか、地域をどう活性化し、若者が地元に残る魅力ある地域にしていくか、それが重要だと感じてきました。県議会議員に立候補するに当たり、「強い秩父をつくろう」、これをスローガンに掲げたのもこのためです。安倍政権が「地方創生」をキーワードに掲げ、東京一極集中の是正に取り組み出したのは最近ですが、私は十年前から地域の創生を考え、その初心を忘れることなく活動してきました。 「初心忘るべからず」とは、能を大成した世阿弥が生み出した言葉とのことです。世阿弥は、周囲から高く評価されても流されず、謙虚に能をきわめる姿勢を貫きました。私も、初心を決して忘れず活動をしてきたことには矜持を持っております。 上田知事、知事の初心は何だったでしょうか。平成十五年九月、知事は就任の挨拶でこのようにおっしゃっていました。「私は、先般の知事選挙におきまして『正義と政策で、埼玉から日本を変える』、このことをスローガンにして、しがらみを一掃し、人心を一新することを県民の皆様にお約束をいたしました。」、そして知事自らが筋金入りで提案したのが多選自粛条例でした。 知事が様々な取組をしていること、それが地域間格差の解消につながっていることには一定の評価をしております。例えば彩の国みどりの基金は、県南部の県民が水源地の保全に関心を寄せるきっかけとなり、間伐などの手入れ不足や鹿による食害などにより荒廃した森林の再生に成果が出ています。しかし、このような評価は政策の面でのものです。 正義についてはどうだったでしょうか。知事が初心であったはずの政治信条をなおざりにして、自ら提案した多選自粛条例を撤回しようともせず、条例を破って出馬、ここに至るのは、正義という点から筋が通っていると思っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。 また、知事は四選出馬時に、「選挙で県民に信を問う」とおっしゃっておられました。しかし昨今、イギリスのEU離脱の国民投票やアメリカ大統領選挙において、ポピュリズムということも言われております。選挙で審判を受ければいいということ自体、知事が本当に思うところの正義だったのかどうか、伺いたいと思います。世阿弥の「初心忘るべからず」という言葉を思い起こしていただき、答弁をお願いいたします。 次に、秩父の地層・鍾乳洞の調査と観光振興について伺います。 秩父地域は、平成二十三年に日本ジオパークの指定を受け、また、平成二十八年には古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群が国の天然記念物となりました。幾つかの露頭と化石群がセットで天然記念物に指定されたのは、全国初とのことです。今回の天然記念物指定により、小鹿野町の「ようばけ」、皆野町の「前原の不整合」などに注目が集まっております。これらの露頭は、千数百万年前、秩父盆地が海の底であった時代のものです。 しかし、日本地質学発祥の地と呼ばれる秩父地域には、三億年以上前の地層から、恐竜がいたジュラ紀や白亜紀を経て新生代に至るまで、様々な時代の地層が露出しており、今もなお新知見が得られています。中でも、秩父盆地から北西方向に広がる白亜紀の地層、山中地溝帯は、恐竜の化石が発見される可能性が高いと言われております。 また、歴史的にも秩父では、古くは和同開珎の由来となる銅の採掘、甲斐武田氏による鉱山開発、発明家の平賀源内や童話作家の宮沢賢治による地質調査が行われています。また、平成二十六年十二月定例会で質問しましたが、奥秩父には大型熊の全身骨格化石など学術的に大きな発見があった日本有数の規模の鍾乳洞もあります。私は、このようなすばらしい地域資源を生かし、秩父を盛り上げていくべきだと考えております。 そこで、三点伺います。 まず、奥秩父の鍾乳洞の学術調査についてです。前回の一般質問で、私は、「学術的にも歴史的にも価値の高い秩父の鍾乳洞群について調査を実施していただきたい」との質問をいたしました。それに対し、「しっかりと調査の道筋をつけていく」との答弁をいただきました。そこで、現在までの学術調査の成果及び今後どのような調査を計画しているのかについて、教育長に伺います。 次に、山中地溝帯の学術調査についてです。秩父盆地から北西方向に延びる山中地溝帯は、埼玉県から群馬県を通り、長野県まで続いております。群馬県旧中里村では、日本で初めて恐竜の足跡化石が発見されたことから恐竜センターを設置、恐竜王国としてPRしています。センターでは化石発掘体験ができ、ここ五年間で約三万二千人、開館以来では約百三万人もの入場者があったそうです。 埼玉県側の山中地溝帯の調査が進めば、歴史的な発見が期待できます。秩父市や小鹿野町で見つかり、県立自然の博物館に展示されているパレオパラドキシアが生きていたのは千数百万年前ですが、それよりもはるか昔の恐竜の化石が見つかるかもしれないことは、ロマンのある話です。そこで、山中地溝帯について予算を確保して学術調査を進めていただきたいと考えますが、教育長に見解を伺います。 次に、SAITAMAプラチナルートの拡張についてです。 県では、観光資源が集まる川越から秩父、長瀞に至るコースをSAITAMAプラチナルートと名付け、観光客の誘致に取り組んでいます。モデルプランでは、一日目に川越のまちや秩父の神社などを観光、秩父で宿泊し、二日目は長瀞でライン下りを楽しむコースが紹介されています。このコースをジオパーク秩父や天然記念物も巡るようにしてはどうでしょうか。ほかにも、例えば県では自転車王国をPRしているのですから、秩父地域おもてなし観光公社が運営するレンタサイクルをもっと活用するプランを考えてもいいと思います。また、美の山公園の展望台を早朝に訪れ、秩父が昔、海の底だった時代を思い起こさせる神秘的な雲海を見たり、夜にライトアップされる秩父三大氷柱を訪れたりすることなどもルートに加えてはどうでしょうか。さらに、今後、山中地溝帯から恐竜の化石が発掘されれば、新たな観光資源としてコースに加えてもいいかもしれません。点ではなく面として秩父地域を楽しんでもらえれば、滞在時間が増え、観光消費額も増加します。SAITAMAプラチナルートを広げ、秩父地域を周遊する提案について、産業労働部長の見解を伺います。 次に、中小企業・小規模事業者の振興について伺います。 我が国経済は、様々な政策の効果などにより、景気の緩やかな回復が続いていると言われています。一方、多くの中小企業・小規模事業者を取り巻く経営環境は、少子高齢化による消費の低迷や原材料等の仕入れコスト増などにより、依然として厳しい状況です。本県企業の九九パーセント、雇用の七割は、こうした中小企業・小規模事業者が占めております。私は、本県を元気にするためには、各地域で地道に頑張っている中小企業・小規模事業者の活性化が何よりも重要であり、生産性や稼ぐ力を向上させるために行政の支援が必要だと考えています。 そこで、まず、経営革新計画承認制度における企業への優遇措置について伺います。 本県の経営革新計画の承認件数は、平成二十七年度、七百六十六件で全国一位のすばらしい実績です。しかし、計画の達成率はどうでしょうか。過去五年間の計画終了企業に対する調査を平均すると、計画設定の条件である付加価値額の伸び率を達成した企業は三三パーセント、経常利益の伸び率を達成した企業は四三・八パーセントに過ぎず、絵に描いた餅という言葉が頭に浮かびます。県は、計画実行のための専門家派遣を無料で行っていますが、利用実績は低下傾向にあり、平成二十七年度は十九件に過ぎません。絵に描いた餅とならないよう、計画達成の呼び水となる、より実効性のある補助制度の創設など直接的な優遇措置を実行すべきであると考えますが、産業労働部長のお考えをお伺いします。 次に、地域資源を活用した商品開発・販路開拓への支援について伺います。 県では、中小企業を支援する先端産業創造プロジェクトを推進し、支援対象の約七割が製品化されるなど、その取組は大いに評価するところです。 一方、私は、各地域の地域資源の活用も極めて重要であると考えます。私の地元では、西秩父商工会が中心となり、県など関係機関の協力を得て、平成の名水百選に選ばれました小鹿野町の毘沙門水を活用したかき氷を商品化しました。また、害獣である鹿を地域資源と捉え、鹿肉や鹿革の商品化に取り組んでいます。これらの取組により、昨年、西秩父商工会は、二十一世紀商工会準グランプリに選ばれました。県内には、こうした活用可能な地域資源が多くあります。しかしながら、小規模事業者は商品化や販路開拓が難しいなど、一貫した事業展開への取組に苦慮しているとの声も聞かれます。 そこで、地域の小規模事業者が地域資源を活用して、商品開発や販路開拓など計画的な事業展開を支援する地域資源創造プロジェクトを創設し、例えば一年目は地域資源調査、二年目は特産品の開発、三年目は販路開拓など、計画的かつ継続的に支援する取組を実行すべきであると考えますが、産業労働部長のお考えを伺います。 次に、県産木材の利用促進について伺います。 本県の森林の約半分は、杉、ヒノキなどの木質資源の活用を目的とした人工林ですが、放置されて荒廃した森林が増えています。森林の循環利用、すなわち切って、使って、植えて、育てるというサイクルが重要ですが、現在、約八割の人工林が伐期を迎えているにもかかわらず、伐採後の出口、すなわち木材の需要が伸びないため、循環が進んでいません。 県では、住宅等における県産木材の利用拡大を図るため、埼玉の木みんなで使って豊かな暮らし応援事業を行っています。平成二十七年度の住宅への助成は、リフォームや内装木質化を含めて四百五十戸相当の設定に対し、利用は二百二十五件、平成二十八年度は二百五十戸相当の設定に対して、全ての使用が見込まれているとのことです。しかし、平成二十七年度の住宅着工統計によると、木造住宅の着工戸数は、一戸建てが二万七千八百七十七戸、長屋と共同住宅が八千三百三戸の合計三万六千百八十戸ですので、それと比べると余りにも設定戸数が少ないのではないでしょうか。県では、県産木材により木造化、内装を木質化する公共施設数を目標に掲げることとしておりますが、民間住宅についても目標を設定し、目標達成のための施策として助成枠を増やすべきと考えます。 また、補助金の額は、新築、購入、増改築の場合、一平方メートル当たり一万七千円、内装木質化の場合、一平方メートル当たり三千円で、上限三十四万円です。利用促進策としては、余りにも金額が少ないと思います。そこで、県産木材の使用比率が高くなるほど上限を上げ、例えば新築の場合には最高百万円などというようにインパクトのある金額にすれば、県民へのPR効果が高くなり、県産木材の利用促進につながるのではないかと考えますが、補助金の充実について、農林部長のお考えを伺います。 また、平成二十八年度から県内の木材市場に県産木材をそろえたコーナーを設置する取組を開始したとのことですが、どのような成果があったのか、併せて伺います。 次に、獣害対策について伺います。 二月二日、総務省関東管区行政評価局は、鳥獣による被害及びその防止の取組の実態調査の結果を発表しました。調査結果のポイントとして、「狩猟者は相当な手間、コストを負担しながら行政に協力しているが、減少や高齢化が進んでいる」「捕獲した鳥獣の多くは利活用が進んでおらず、埋設又は焼却の負担が大きい」などが挙げられています。この調査によると、本県の農産物の鳥獣害は毎年一億数千万円で推移しております。また、イノシシの捕獲数は横ばいである一方、ニホンジカの捕獲数は平成二十四年度の一千四百五十頭から、平成二十七年度には二千五百三十二頭へ増加しているとのことです。県では、獣害の防止のために電気防護柵などの研究を行っていますが、適切に設置されれば高い効果が見込まれるものの、コストと手間の問題が大きいため、やはり狩猟者の協力は欠かせません。 一方、狩猟者からは、捕獲したニホンジカの処分に当たり、埋設場所などの確保に苦慮しているとの意見が多数出ています。県では、ニホンジカの捕獲目標を年間三千頭にしているとのことですので、埋設や焼却だけでなく、利活用の推進も重要な課題です。昨年十二月に改正鳥獣被害防止特措法が施行され、今後、捕獲した鳥獣の食品としての利用等が推進されることになりましたが、私の地元の商工会では、以前から地域振興を兼ねて鹿やイノシシの肉の有効活用を行っており、皮の活用についても、草加市の革職人組合と連携して製品化を進めているところです。 また、商工会では、同じように獣害に悩む小川町、嵐山町、ときがわ町、東秩父村の四町村の猟友会から鹿肉利用の相談を受けております。しかし、食肉利用する場合、現在は放射性物質の検査が必要です。また、仕留めてから一時間以内に解体しないと味が落ちてしまうため、すぐに解体しなければなりませんが、その際には、銃刀法上、猟銃の保管の面で問題があります。また、環境面では、沢などの解体場所の汚染や臭いの問題がありますし、住民から苦情が出ることもあります。秩父地域では唯一、小鹿野町にある肉の宝屋で放射性物質の検査と解体を行っていますが、先ほどの四町村には解体施設がありません。また、旧大滝村や横瀬町も同様です。そこで、モデルケースとして、比企地域での解体施設の設置を支援すべきだと考えます。副次的な効果として環境面の問題がなくなりますし、また、鍵付きロッカーの設置などの要件を満たすことにより銃刀法の問題もクリアできて、一石三鳥です。将来的には、旧大滝村、横瀬町など獣害対策に苦慮している地域にも設置することで、農作物、森林の被害が減るとともに、収入増加による狩猟者の確保にもつながると考えます。環境部、保健医療部とも連携して獣害対策に取り組んでいく必要があると考えますが、解体施設の設置について、農林部長に御所見を伺います。 次に、秩父高原牧場を生かす山の駅の整備について伺います。 高原牧場は県内唯一の公設牧場で、平成九年に整備した彩の国ふれあい牧場では、バターづくりなどの体験実習が好評です。また、ポピーの植栽は五ヘクタール、一千五百万本を超えており、ポピーまつりの期間には五万人から六万人もの人が訪れ、牧場全体の年間来場者数は約四十六万人にも上ります。 また、秩父高原牧場は、関東ふれあいの道のコースにも設定されております。このコースで、ハイカーたちは関東平野、東京スカイツリー、日光、上信越の山々を展望でき、五月上旬には二本木峠から皇鈴山にかけて美しいヤマツツジを楽しむことができます。平成二十六年には「山の日」が制定され、山を活用した地域振興の機運も盛り上がっています。元気な中高年の登山ブームが続いていますし、数年前から山ガールも増えているようです。 そこで、幹線道路に道の駅があるように、高原のアクセスポイントに山の駅を整備したらどうでしょうか。地元の東秩父村からも要望が寄せられていますが、まずはバス用を含む駐車場やトイレを増やし、飲料水の確保を図るなどして受入態勢を整えることが必要です。それとともに、周辺の名所、ハイキングやサイクリングのモデルコースの地図などを作成して配布し、インターネットで紹介するなどしてPRすれば、ドライブ、ハイキングやサイクリングの拠点として利用者が増えていくのではないかと考えます。また、地元の農産物を使った飲食施設や農産物直売所を充実し、県産農産物あるいは畜産物のPRを行えば更に利用者が増え、農業による地域振興にもつながるのではないかと考えます。 そこで、農林部長に伺います。山の駅の整備については、平成二十四年九月定例会でも質問し、「関係部局と調整し、検討してまいります」との答弁を当時の農林部長からいただいておりますが、その後の検討状況について伺います。 また、地方創生のためには地元のやる気が重要です。東秩父村は県内唯一の村ですが、平成二十六年に細川紙がユネスコ無形文化遺産に登録され、昨年十月には、和紙の里ひがしちちぶが道の駅に登録されたこともあり、観光振興に張り切っております。今こそ秩父高原牧場に山の駅を設置して、牧場を核とした農畜産業による地域振興を行うべきと考えますが、農林部長の所見を伺います。 最後に、地元問題として三点伺います。 まず、(仮称)長尾根トンネルの事業化について伺います。 国道一四〇号皆野秩父バイパスの第一期区間が来る三月二十五日に開通をいたします。秩父地域の観光振興や企業誘致などの経済活動に大いに寄与することになります。また、今後第二期区間が開通すると、西秩父地域へのアクセスが格段に向上します。 しかし、皆野秩父バイパスが開通しても、秩父市街地と西秩父は荒川左岸にある尾根によって行き来には時間がかかります。秩父市街地から秩父公園橋を渡っても、北方面に向かって蒔田から回り込むか、秩父ミューズパーク方向に峠を越えるしかありません。秩父郡市全体で組織している秩父地域基幹道路建設促進議員連盟では、国や県に対して毎年、皆野秩父バイパスと国号二九九号への接続に合わせ、西秩父と秩父市を結ぶ(仮称)長尾根トンネルの事業化を最重点要望に掲げております。このトンネルは、観光や経済活動に寄与するのはもちろんですが、西秩父から秩父市街地への救急搬送が十五分以上短縮すること、降雪時の通行止め対策になること、また、秩父市側から皆野秩父バイパスへのアクセスが改善できるなど、極めて利用価値が高いと考えられます。そこで、今後の(仮称)長尾根トンネルの事業化の方向性について、県土整備部長に伺います。 次に、県道皆野両神荒川線の整備について伺います。 この県道皆野両神荒川線は、山梨方面からの交通を支える西秩父地域の振興には欠かせない幹線道路であり、国道一四〇号とともに秩父地域の大きな外環道路を形成している重要な道路です。しかしながら、古池地内にある双神トンネルは非常に狭く、大型バスが通行できないため、秩父三大氷柱めぐりをはじめとする秩父周遊観光の大きな足かせとなっています。山梨方面から来る観光バスは狭い双神トンネルを通行できないため、大きく迂回することになり、一時間近くも多く時間がかかってしまうことがあります。県道皆野両神荒川線については何度か一般質問させていただいており、荒川贄川地内から古池方面へと順次道路の改良を進めていただきました。あとは、古池地内の双神トンネル付近の整備が終われば、西秩父へのアクセスは大きく改善され、秩父市街地を通らない迂回ルートが完成し、渋滞緩和にもつながります。しかし、平成二十五年度に贄川から双神トンネルまでの改良が完了し、次はいよいよトンネル付近の整備だと期待しておりましたが、その後工事が進んでいないように見えます。そこで、双神トンネル付近の整備の見通しについて、県土整備部長に伺います。 次に、県道長瀞玉淀自然公園線の整備について伺います。 この県道は、国道一四〇号の現道やバイパスとともに秩父地域の観光振興を支える道路であり、長瀞の岩畳や宝登山神社、ポピーの花で人気の彩の国ふれあい牧場、芝桜で有名な羊山公園など、地域を代表する観光スポットへのアクセス道路となっております。しかしながら、皆野町の県道長瀞玉淀自然公園線の上三沢、中三沢地区には、カーブで見通しが悪く、道幅が狭くて車のすれ違いができない区間が約一・八キロ残っております。この狭い区間には住宅や工場も建っており、郵便局や病院などもあります。また、そのすぐ北側には三沢小学校があり、子供たちはこの狭い県道を通学路として通っていますが、歩道もないことから大変危険な状況が続いております。このため、地元住民からは改善を求める要望が繰り返されております。地域にお住まいの方々や訪れてくれた観光客が安全に通行できるよう早期に整備する必要があります。そこで、三沢地区における県道長瀞玉淀自然公園線の整備の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。 以上で私の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○石井平夫副議長 六十九番 岩崎宏議員の質問に対する答弁を求めます。       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 岩崎宏議員の初心忘るべからずの御質問にお答えを申し上げます。 さきの知事選挙では、各界の皆様からの心を尽くした出馬要請と私自身の政治信条を定めた条例の間で深く悩みました。そのとき、机の前に貼っておりますが、中国の清代末期の政治家、曽国藩の座右の銘「四耐四不訣」を心に留めました。これは人間が、特に政治家が耐えなければならない四つの点と、してはならない四つの点を明らかにした言葉です。「冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え、激せず、躁がず、競わず、随わず、もって大事をなすべし」と言っておられます。私は、改めてこの「四耐四不訣」を深くかみしめ、最終的には私自身の不名誉を甘んじて受け、埼玉県のために全力を尽くす道を選択させていただきました。 その当時の私の判断が正義にかなうものなのかという点につきましては、県民の皆様の御判断に委ねるしかないと考えています。県議会や各メディアの方々からも極めて厳しい御批判もいただきました。また、この選挙は、ほかの候補者との戦いだけではなく、自らの心と闘わなければならない厳しい選挙でもございました。決して、県民の審判を受ければそれでいいという思い上がった考えで出馬したものではございません。結果として、県民の皆様から大きな御支援をいただきました。岩崎議員の友情あるごべんたつを踏まえ、今後とも初心を忘れることなく、全身全霊で県政にまい進してまいります。       〔関根郁夫教育長登壇〕 ◎関根郁夫教育長 御質問二、秩父の地層・鍾乳洞の調査と観光振興についてお答えを申し上げます。 まず、(一)奥秩父の鍾乳洞の学術調査についてでございますが、県では平成二十八年度から、地質や植物、動物を対象とした石灰岩地自然遺産調査を三か年計画で実施しております。その中で、奥秩父の鍾乳洞の調査につきましては、平成二十八年度は七月に二か所、十一月に一か所、合わせて三か所の鍾乳洞を実地に調査いたしました。現在までの調査の成果としましては、例えば十一月の調査では、鍾乳洞の調査において欠かせない周辺における石灰岩の分布のおおよそを明らかにすることができました。また、この鍾乳洞には、軟らかい鍾乳石とも言われる大変貴重なムーンミルクがありますが、その分布範囲も確認できました。 今後の調査計画でございますが、平成二十九年度には、昨年十一月に調査した鍾乳洞の内部の構造や生成物などを詳細に調査する予定であり、その他の調査につきましては、現在検討しているところでございます。正式な調査成果につきましては、今後の調査結果も含め、平成三十年度に報告書としてまとめる予定でございます。 次に、(二)山中地溝帯の学術調査についてでございますが、議員御指摘のとおり、山中地溝帯には恐竜が生きていた時代である中生代白亜紀の地層が存在いたします。山中地溝帯は、幅約二~四キロメートル、延長約四十キロメートルの帯状の広大な地域で、埼玉県内の部分だけで十キロメートル以上もございます。したがって、山中地溝帯の学術調査は、中生代の自然環境を明らかにすることを目的とした、かなりの規模の総合調査となりますので、十分な準備期間や調査体制の整備が必要となります。県では現在、秩父地域において石灰岩地自然遺産調査のほかに、昨年三月に国指定天然記念物となった古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群の保存と活用の事業を進めております。今後、自然分野の新たな学術調査を立ち上げる段階になりましたら、その対象候補の一つに山中地溝帯の学術調査も含めて検討してまいります。       〔立川吉朗産業労働部長登壇〕 ◎立川吉朗産業労働部長 御質問二、秩父の地層・鍾乳洞の調査と観光振興についてのうち、(三)SAITAMAプラチナルートの拡張についてお答えを申し上げます。 SAITAMAプラチナルートは、外国人観光客にも人気が高い川越から、県内屈指の観光地で宿泊施設も多い秩父地域に宿泊し、本県の多彩な観光を楽しんでいただく周遊ルートです。現在、埼玉観光の定番ルートとするため、国内外の旅行会社などに強力な売り込みを進めているところでございます。今年度も延べ九回、旅行会社やメディアを招待し、宝登山神社、ライン下り、秩父まつり会館、伝統的な和風旅館の宿泊、果物狩りなど、秩父地域の観光をPRしてまいりました。 議員お話しのジオパーク秩父は、太古の海の記憶を今に伝える古秩父湾堆積層などが国の天然記念物に指定されるなど、全国的にも関心が高まっております。この堆積層で発見された化石標本や大地の成り立ちを紹介している埼玉県立自然の博物館は、ミシュラン・グリーンガイドで外国人観光客にお薦めしたい観光地として紹介され、注目を集めております。昨年、台湾の高校生が教育旅行で小鹿野町に宿泊した際、古代の地層が大きく露出しているようばけを見学し、ここでしか見ることのできない景色に強い関心を示しました。 観光客は、その地域でしか味わうことのできない景色や体験を大切にいたします。誘致に当たっては、いかにその地域独特の魅力的な観光資源を提供できるかがポイントとなります。議員御提案の雲海やつららなどは、正しく秩父地域の豊かな自然を生かした特徴的な観光資源であり、本県観光の強みとなるものと考えます。雲海を見るための早朝ツアーや、つららのライトアップを見るナイトツアーは、秩父地域に宿泊するからこそ体験できるものであり、宿泊客の拡大が期待できる観光資源と言えます。引き続きSAITAMAプラチナルートのPRに当たっては、秩父地域の様々な観光資源を組み合わせ、魅力的な周遊ルートを提案し、観光客の誘致に取り組んでまいります。 次に、御質問三、中小企業・小規模事業者の振興についてお答えを申し上げます。 まず、(一)経営革新計画承認制度における企業への優遇措置についてでございます。 経営革新計画は、企業が自ら新たな事業展開及びその実現方策を考えるものであり、その策定自体が企業の成長を促すものでございます。また、企業が「付加価値額の年平均伸び率三パーセントを計画期間中続ける」という高い目標の実現に向けて努力することで、生産性が向上します。 県では、計画の実行を支援するため、専門家や販路開拓のアドバイザーを無料で派遣するほか、県産業振興公社の各種支援策を活用しているところです。これらの実施に当たっては、定期的なフォローアップ調査を行い、計画の進捗状況や実行に当たっての課題、期待する支援策等の把握に努めております。 また、国では、いわゆる「ものづくり補助金」の採択における加点や特許関係料金の減免などを行っておりますが、小規模事業者持続化補助金など他の補助金にも優遇措置を設けるよう要望したところでございます。議員御提案の優遇措置を創設することについては、国の施策の動向や企業ニーズを考慮しながら研究してまいりたいと考えております。 次に、(二)地域資源を活用した商品開発・販路開拓への支援についてでございます。 議員お話しのとおり、地域資源を活用していくことは重要であると考えます。農作物などに被害をもたらす鹿を地域資源と捉え、鹿肉や鹿革を商品化する取組は、正に他の地域のモデルとなるものです。中小企業が地域資源を活用した新製品開発や販路開拓を図ろうとする場合、地域資源活用促進法に基づく計画を策定し、国の認定を受けることで補助金や融資などを活用することができます。そこで、県産業技術総合センターや県産業振興公社におきまして、この計画を策定する企業に対し丁寧なアドバイスを行っているところです。 県におきましても、地域資源を活用して行う新製品開発や販路開拓等に対する新たな助成制度を平成二十七年度に設けました。事業の一例ですが、行田商工会議所では、行田足袋ブランド力強化事業研究会を立ち上げまして、統一ロゴマークを作成し、普及啓発、販路開拓等につなげております。今後も市町村や地域の商工団体などと連携いたしまして、中小企業の地域資源を活用した競争力の高い製品開発や販路開拓を支援してまいります。       〔河村仁農林部長登壇〕 ◎河村仁農林部長 御質問四、県産木材の利用促進についてお答えを申し上げます。 まず、埼玉の木みんなで使って豊かな暮らし応援事業の補助金の充実についてでございます。 この事業は、埼玉県内の人工林の約八割が木材として利用可能となる中、県産木材の利用拡大と流通ルートの確立を目指して平成二十六年度からスタートしたものでございます。補助水準は他県の平均的な水準とし、補助枠は、県産木材の供給量や流通実態などから実現可能性を勘案して設定したところでございます。 議員お話しのとおり、本事業はスタートしてから三年目を迎え、県民の皆様への周知も進み、平成二十八年度事業は十二月末で当初予算で見込んでおりました補助枠が全て埋まりました。また、本事業を利用して県産木材住宅を建てた工務店は、平成二十七年度の百三十社から平成二十八年度は百六十九社へと増加しています。議員御提案の補助事業の充実につきましては、県産木材の供給量と需要の動向、本事業の活用状況、他県の補助水準の動向や費用対効果などを踏まえ、研究してまいります。 次に、木材市場における県産木材コーナーの成果についてでございます。 県は、平成二十八年度埼玉県木材協会に加盟する九つの木材市場のうち、四か所で県産木材コーナーの設置を支援いたしました。これにより、工務店の県産木材の調達が容易になり、市場からプレカット工場、そして工務店へと続く県産木材の流通ルートが確立してまいりました。県産木材を使った工務店などからは、「県産木材の品質がいいことが分かった」との声や、「県産木材だけでも家が建てられることが分かった」との声が聞かれるなど、県産木材の利用がユーザーにも浸透してまいりました。さらには、山林の伐採業者からも県産材を指定する注文が増えたとの報告も上がっています。今後は、県産木材コーナーのPRや品ぞろえを更に充実させ、県内の工務店や材木店がより県産木材を入手しやすくするなどにより、県産木材の利用促進に努めてまいります。 次に、御質問五、獣害対策についてお答えを申し上げます。 野生鳥獣による農作物被害は、埼玉県にとどまらず全国的な課題であり、生産者が意欲を持って生産活動を推進していく上で、その対策は極めて重要と考えております。このため、県ではこれまで鳥獣害対策として、鳥獣害防止指導者育成研修や安価で簡便な電気柵の開発・普及、生息域調査などを実施しております。また、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用し、市町村などで構成する鳥獣害対策協議会が取り組んでいる捕獲わなの購入や鹿などを捕獲した経費などを支援しております。 このような中、議員お話しの、捕獲した鹿やイノシシを食肉として活用することは、野生鳥獣による農作物や森林の被害軽減に有効であると考えております。平成二十八年五月から、小川町や嵐山町、ときがわ町、東秩父村、小川猟友会などをメンバーとして、広域連携による有害鳥獣捕獲や解体施設の整備などを検討する鳥獣害対策広域連携会議が開催されております。連携会議では、今後、町村を越えた捕獲体制や狩猟者の確保・育成、解体施設の候補地などを検討すると伺っております。 捕獲した鹿やイノシシなどを解体し、食肉として利用するには、衛生管理や食肉加工を行う人材の育成、販路の確保などの課題を解決する必要がございます。県では、連携会議での検討状況を踏まえ、解体施設を整備する際には国の交付金の活用を支援してまいります。また、捕獲現場近くで衛生的に処理加工ができる解体処理自動車やICTを活用した捕獲機材など新技術の情報も連携会議に提供してまいります。 今後とも野生鳥獣による農作物への被害軽減に取り組むとともに、捕獲した鹿などの解体施設支援をはじめ、食肉への利用を支援してまいります。 次に、御質問六、秩父高原牧場を生かす山の駅の整備についてお答えを申し上げます。 まず、その後の検討状況についてでございますが、地元皆野町や東秩父村、商工会などで構成する彩の国ふれあい牧場連絡協議会において、秩父高原牧場の在り方や地域振興策などを検討してまいりました。その結果、秩父高原牧場で開催する「天空を彩るポピーまつり」において、平成二十六年から鉄道会社と連携したPRを行うなどにより、来場者は年々増加してきております。また、県では、平成二十五年度に直売所前の駐車場の舗装や観光案内看板を設置し、来場者の利便性向上に努めてまいりました。さらに、東秩父村から県道三沢坂本線及び皆野町からの町道三沢三号線の拡幅・整備が進み、平成二十七年には観光バスの通行も可能となるなど、秩父高原牧場は地域振興を図るための下地が整いつつあります。 現在、秩父高原牧場には、乳製品の手づくり体験やポピーまつりなどで年間四十六万人の来場者があり、地元経済の活性化に大きく貢献できるものと考えております。また、秩父高原牧場において県産畜産物のPRや家畜とのふれあいコーナーを充実させることは、畜産振興の面でも有効であると考えております。 一方、秩父高原牧場は傾斜地が多く、大規模な駐車スペースの確保が難しいこと、冬季の路面凍結や積雪などにより年間を通じて安定した来場者が見込めないなどの地域振興を図る上での課題もございます。議員御提言の山の駅については、道の駅の例などを見ますと、その設置・運営については地元市町村の担う役割が大きいと考えております。今後とも、彩の国ふれあい牧場連絡協議会の場などを活用し、地元町村の意向をしっかりと確認するなど関係機関と十分に調整し、秩父高原牧場の活用について引き続き検討してまいります。       〔浅井義明県土整備部長登壇〕 ◎浅井義明県土整備部長 御質問七、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)(仮称)長尾根トンネルの事業化についてでございます。 この道路は、秩父市内の秩父公園橋から長尾根丘陵をトンネル構造で横断し、国道二九九号の小鹿野町方面へ至る構想路線です。想定されるルートについては、長大なトンネル構造が必要となり、多額の工事費が見込まれます。秩父地域においては、平成二十九年三月二十五日に国道一四〇号皆野秩父バイパスが部分供用し、平成二十九年度内には全線開通する予定です。また、平成二十八年度からは国道一四〇号の(仮称)大滝トンネルの調査にも着手しております。この事業が本格化すれば、多額の事業費を集中的に投入することが必要でございます。(仮称)長尾根トンネルの事業化につきましては、このような状況を鑑み、今後の皆野秩父バイパスの整備による交通状況の変化や(仮称)大滝トンネルの事業進捗も踏まえ、効果的な道路網整備の在り方の中で検討してまいります。 次に、(二)県道皆野両神荒川線の整備についてでございます。 この県道は、荒川贄川地内の国道一四〇号から小鹿野町境までの約二・三キロメートル区間を二つの工区に分け、順次整備を進めております。このうち、国道一四〇号から双神トンネル手前までの第一期整備区間約一・四キロメートルについては、平成二十五年度に開通しております。引き続き、平成二十六年度に双神トンネル付近の第二期整備区間約〇・九キロメートルについて、幅員の狭い双神トンネルを迂回する計画で事業に着手いたしました。これまでに道路や橋りょうの予備設計及び用地測量が完了し、現在は物件調査を進めているところでございます。平成二十九年度は用地買収に着手するとともに、大規模な盛土工事に向けた施工計画を策定してまいります。 次に、(三)県道長瀞玉淀自然公園線の整備についてでございます。 この県道は、国道一四〇号と並行し、秩父地域の東側を縦断する幹線道路であります。これまでに幅員の狭い区間から順次拡幅整備を進めてきており、全体延長約二十キロメートルのうち、おおむね九割に当たる約十八キロメートルの整備が完了しております。御質問の皆野町三沢地区の約一・八キロメートルの区間につきましては、幅員が五メートル程度であり、通学路となっておりますことから、交通安全の向上を図る必要があると認識しております。このため、平成二十九年度から現地測量を実施し、新たに事業に着手してまいります。 今後とも地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、秩父地域の道路網整備について全力で事業を推進してまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○石井平夫副議長 暫時、休憩いたします。午前十時五十九分休憩          ----------------午後一時二分再開 出席議員    八十九名     二番    三番    四番    五番     七番    八番    九番    十番    十一番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十五番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十八番  三十九番    四十番  四十一番  四十二番  四十三番   四十四番  四十五番  四十六番  四十七番   四十八番  四十九番   五十番  五十一番   五十二番  五十三番  五十四番  五十五番   五十六番  五十七番  五十八番  五十九番    六十番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名   二十四番  八十一番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(塩川)  副知事(岩崎)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者  下水道事業管理者   教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○石井平夫副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ----------------
    △質疑質問(続き) ○石井平夫副議長 質疑質問を続行いたします。 二十九番 水村篤弘議員       〔二十九番 水村篤弘議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十九番(水村篤弘議員) 皆様、こんにちは。西第一区、所沢市選出の水村篤弘でございます。 この任期で二回目となる一般質問です。傍聴にお越しをいただきました皆様、お忙しい中、本当にありがとうございます。県民の声を届けたい、困っている人の声を届けたいとの思いで質問をさせていただきますので、上田知事をはじめ執行部の皆様には真摯に受け止めていただき、誠意ある御答弁をお願いいたします。 それでは、議長にお許しをいただきましたので、通告に従い質問に入らせていただきます。 初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに関する諸問題について質問をいたします。 昨年夏に東京都で小池知事が就任して以来、二〇二〇年に向け東京都が誘致をして開催が決まっている東京オリンピック・パラリンピックの運営について、経費削減方法や競技会場の変更などをめぐり、迷走しています。開催経費の削減に取り組むのは当然ですが、当初計画では、仮設施設の費用は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が全額負担をする予定でした。ところが、昨年十二月になり、組織委員会が仮設費用二千八百億円のうち、二千億円を都やほかの会場自治体、国が負担するとの方針を打ち出しました。こうした動きを受け、十二月二十六日には上田知事をはじめ競技開催地となる十自治体の首長が都庁を訪れ、仮設費用の整備費は大会組織委員会が負担するとした招致時の原則を確認するよう求める要請書を小池都知事に提出をしました。上田知事はこのとき、「奇怪な動きがあることに不愉快な思いをしている」と述べられました。 埼玉県は、会場自治体の中で最多となる約百八十七億円の仮設費用が必要との試算が示されました。そして、二月二十二日になり小池都知事が、「都外の仮設費についても都も負担する」との発言をしましたが、仮設費用の全額を負担するのかどうかは定かではありません。 また、今年に入り、ゴルフ会場となる予定の霞ヶ関カンツリー倶楽部が女性の正会員を認めていないことから会場の変更が取り沙汰されたり、暑さが過酷などと指摘されたりするなど、今になって何だというような動きもあります。 そこで、上田知事に質問をいたします。 一点目、オリンピック・パラリンピックに関するこれまでの迷走の原因はどこにあるとお考えでしょうか。 二点目、開催の費用負担の在り方をどのようにお考えでしょうか。改めて仮設費用に関する考え方をお伺いいたします。 また、仮設費用以外にこれだけの経費がかかるという広報も大事だと考えます。平成二十九年度の予算案にオリンピック開催経費として約二十五億円が計上されています。県として、開催までに仮設以外の開催経費も相当必要になると見込まれますが、負担についてのお考えをお示しください。 次に、実効性のある少子化対策について、知事に質問をいたします。 埼玉県が直面する少子化の課題の本質に迫るには、子供を持つことを望みながら、なかなか授からない御夫婦の支援の拡大が極めて重要です。また、晩婚化、晩産化が進む中、「子供が欲しいと思ったときに、なかなか授からない」と涙する御夫婦を極力生まないように、妊娠、出産についての正しい知識の普及が必要です。何といっても、六組に一組もの御夫婦が子供を願ってもなかなか授からないという時代です。 知事を先頭に、県ではこの課題について、昨年二月議会での当時の会派の代表である山川議員の代表質問など、我が会派からの少子化対策についての課題提起を真摯に受け止め、スピード感を持って啓発活動や経済的支援の拡大を行ってこられたことを高く評価をしています。特に、ウェルカムベイビープロジェクトとしてきめ細かく総合的に不妊対策を展開するのは、全国でも初めての取組であると伺っております。 質問は、少子化対策において、他県はもとより国をもリードする埼玉県として、来年度は妊娠、出産についての正しい知識の普及、及び不妊治療を受ける方々への支援の拡大に向けてどのように取り組まれるのか、知事にお伺いをいたします。 次に、保育ニーズの正確な把握と休日保育の充実について、上田知事に質問をいたします。 先日、政府は平成二十九年度末までに待機児童を解消するとした目標の達成は難しいと発表しました。申込者数が大幅に伸びたことが要因としています。身近に保育所ができると、そこにお子さんを預けて働こうと希望する方もおり、保育所の整備がニーズの掘り起こしにもなり、なかなか待機児童の解消が難しいのが現状です。将来を見通した正確な保育ニーズの把握ができていないのが問題です。 昨年秋に厚労省は、昨年四月一日時点での、希望しても認可保育所などには入れない待機児童の人数について二万三千五百五十三人だったと発表しました。そして、保護者が育児休業中であることなどの理由で集計から除外されている潜在的待機児童については、前年より約八千人多い六万七千三百五十四人で、自治体別の内訳も初めて明らかにしました。待機児童から除外されているのは、自治体が独自に補助する認可外保育施設を利用している人や、保護者が育児休業中、特定の保育所などを希望している、保護者が求職活動を休止しているなどのケースですが、待機児童の定義の仕方、これは各市町村が判断をするため、正確な保育ニーズの把握が現状ではできていません。 そして、現在最もニーズが把握し切れていないのが、休日保育を必要とする方たちのニーズです。県内では、平成二十七年十月時点で日曜・祝日保育を実施しているのは二十二市町の三十五か所であり、一園平均三人のお子さんしか利用していないとのことでした。しかし、平成二十七年には、休日保育の充実を求める署名が全国で約六十五万筆集まり、政府に提出されました。そして、ある労働組合の統計によれば、土日に働いているケースがほとんどの流通・サービス業で働く方が県内に少なくとも約五万人おります。こうした数字から、休日保育を必要とする潜在的ニーズは相当数あり、現状はそれを把握できていないと考えます。私のもとへは、休日保育を充実させてほしいとの切実なお声が寄せられています。休日保育の充実については、一昨年六月議会で会派の山根議員も質問されています。 質問は、一点目、県は少子化対策に取り組むとともに、ウーマノミクス、すなわち女性の活躍を応援する取組をしています。そして、女性が多いのが流通・サービス業です。ウーマノミクスを推進するために、潜在的待機児童の正確な把握、把握をするための待機児童の定義の仕方、休日保育のニーズの把握が必要ですが、どのように取り組んでいくのでしょうか。 二点目、現在、日曜日、祝日に保育を実施している保育所が少なく、立地も利便性が高いところばかりとは言えません。駅の近くなど利便性の高いところに日曜・祝日保育を実施している保育所ができると、ニーズの掘り起こしにつながると考えます。そこで、試験的に駅の近くなど利便性の高いところで日曜・祝日保育が実施されるよう、市町村と連携できないでしょうか。また、保育士の確保のために、県独自に休日保育加算の上乗せをしたりできないでしょうか。 以上、質問をいたします。 次に、子ども食堂の取り組みを広げようについて、福祉部長に質問をいたします。 最近、地域の子どもに無料か安価で食事を提供する子ども食堂と呼ばれる場所が全国的に増えてきています。昨年七月の朝日新聞によれば、平成二十八年五月末時点で少なくとも全国に三百十九か所あることが分かっています。民間レベルで始まった取組で、公共施設を利用したり飲食店を借り切ったりなど、運営形態や開催頻度も様々です。 私の地元の所沢市でも、ところざわこども食堂があり、昨年四月から毎月第三火曜日の十七時からオープンしています。私が昨年訪問させていただいたときには、ちょうど産経新聞が取材に来られており、子ども食堂への関心が広がりつつあることをうかがわせました。十五人ほどの大人と子どもが訪れており、子どもたちが勉強したり配膳を手伝ったりと和気あいあいとした雰囲気で、温かい居場所で交流ができているとの印象でした。 子ども食堂は、貧困家庭や孤食の子どもたちに安心して食事できる場所を提供しようと始まった取組です。しかし、現在は困窮世帯の学習支援を行ったり地域の人の交流拠点となっていたり、世代間を超えたつながりづくりなど、多面的な役割が期待されています。 行政の支援も始まりつつあります。今年度、大分県では子ども食堂の支援事業費を計上して、モデル事業として三団体を助成し、「ノウハウを得て県内全域に広く設置していきたい」としています。また、群馬県太田市では、子ども食堂を自治体が直接開設して運営を始めました。埼玉県では、現在のところ子ども食堂を支援する制度がないと伺っています。しかし、子ども食堂の多面的な役割を考えれば、県としての支援が必要だと考えます。 質問は、一点目、全国的に広がりつつあるとはいえ、まだ始まったばかりの取組です。運営場所の確保や、運営を行う場合には、場合によっては保健所への届出が必要になるなど、運営にはノウハウが必要です。そこで、県として子ども食堂を制度として位置付け、運営場所の情報提供や運営をする人材育成などを行えないでしょうか。 二点目、実際に運営している方からは、行政による広報、周知や認定制度のようなものがあると、子どもたちや地域の方が利用しやすくなるとの声も伺っています。県では、県産農産物を使用している飲食店などが登録をすると、「県産農産物サポート店」と書いてある看板を掲げることができる制度があります。子ども食堂にもこうした制度を導入したり広報を行うことができないでしょうか。 三点目、子ども食堂の継続的な運営には安定した財源の確保が不可欠です。現在は、どちらの子ども食堂でも、フードバンクと連携して食材を確保したり、ネットで活動資金を集めるクラウドファンディングを利用したりと苦労しています。県として助成金制度を創設することはできないでしょうか。 以上、質問をいたします。 次に、福祉行政のあり方について、福祉部長に質問をいたします。 昨年十二月に、県内在住の重度心身障害者のAさんから御相談をいただきました。Aさんは、三十五歳のとき脳幹梗塞となり、手足を自由に動かすことと話すことができなくなりました。Aさん唯一の意思疎通手段は、目を動かすことのみであり、そのためには、Aさん固有の意思疎通の方法に慣れた重度訪問介護のヘルパーの存在が不可欠となっています。医師の診察時に自分の状態を伝えるためにも、重度訪問介護のヘルパーにそばにいてもらわなければなりません。 そこで、お住まいの地元の市役所に、意思疎通の介助と見守りを実施する重度訪問介護を、介護保険や医療保険などと同時に利用する重複利用を認めていただきたいと相談に行きました。ところが、市からの回答は「県が国に確認したが、重複利用は認められない」というものでした。困り果てたAさんが私どものところに相談してきたというのが今回の発端です。そこで、私が福祉部に改めて確認をしたところ、国の認識に誤りがあったことが発覚しました。 今回の事例から分かることは、障害者福祉に関する制度は複雑で、頻繁に変わることも多く、担当官庁ですら十分に把握し切れていないということです。また、地域生活支援事業の意思疎通支援についても、以前の障害者自立支援法では「手話通訳等」という表現を用いていましたが、現在の障害者総合支援法では、新たに「意思疎通支援」という名称を用いて、例えばコミュニケーションボードによる意思疎通も含まれると厚労省のホームページで明示されています。しかし、いまだにコミュニケーションボードは含まれないとする市町村も多いと伺っております。 質問は、福祉は、社会的な弱者と言われる方々の安心・安全を守ることはもろちん、人によっては生命に直結する極めて重要な分野です。国、県、市、それぞれの立場と責任でこの重要な責務を担っていただいていると思います。いま一度、職務の重さ、生命の重さを認識していただくとともに、国や市町村との迅速かつ的確な情報共有が必要と考えます。県として、今回の事例の反省を踏まえて、こうした複雑な福祉制度について、市町村や県民の皆様に正確に理解していただくために今後どのように周知に取り組むのか、御見解をお伺いいたします。 次に、介護認定審査日数の短縮と介護職員の負担軽減策について、福祉部長に質問をいたします。 私は、定期的に介護業界で働く方との意見交換を行わせていただいております。そこでいただいた御意見や御要望を基に、平成二十七年十二月議会でも要介護認定の審査日数について一般質問をさせていただき、審査日数の短縮を求めました。先日も意見交換を行わせていただきましたが、相変わらず要介護認定の判定結果が出るまでが遅く、利用者が不便をしているとともに、書類の作り直しなどが発生し、業務量が増えてきついとの悲痛な声をお聞きしました。 そこで、私は県の担当部署に、現在の県内各市町村の審査日数の現状を尋ねました。そうしたところ、県では審査日数の現状について把握をしていないとのことでした。なぜならば、要介護認定の審査を行う市町村によってコンピュータシステムがばらばらで、法定の原則三十日以内に判定の通知が行われている件数、割合、また三十日をどのくらい超えて通知が行われているのかなど、市町村によっては一件一件データを手作業で集計しなければならないところもあり、県として把握をするすべがないということでした。現状が正確に分からないのであれば、有効な対策を立てようがないのも当然です。現在、国においては、審査の簡素化による認定の負担軽減、スピードアップを検討していますが、現状が把握できていない中で制度の改正が適切に行えるのか、大きな疑問を感じます。また、介護の現場で働く方からは、様々な申請書などの様式が市町村によって違うことも業務量の増大につながっているとの声も伺っております。 質問は、現在は各市町村が独自に導入しているシステムについて、県が主導して各市町村が統一的に使えるシステムの開発をできないでしょうか。そこに要介護認定の審査日数が容易に分かるシステムを盛り込んだり、申請書の様式も統一したりすれば、現状の把握がしっかりとでき、対策も立てやすくなり、業務の効率化や介護サービス利用者の利便性向上にもつながると考えますが、御見解をお伺いいたします。 次に、精神障がい者の雇用について、産業労働部長に質問をいたします。 県内企業の障害者の実雇用率は、前年比〇・〇七ポイント上昇の一・九三パーセントで、全国平均を二十年ぶりに上回ったとのことです。埼玉県の障害者職業紹介状況を見ると、平成二十七年度で就職件数は三千五百三十九人で、就職率は三九・六パーセントでした。身体、知的、精神の種別ごとに見ていくと、精神障害者の方の就職件数が平成二十七年度で一千五百五十八人と全体の四四パーセントを占めており、平成十八年度と比べ六・六倍に増加をしているのが特徴です。平成三十年度からは、いわゆる精神障害者雇用義務化がスタートします。障害者法定雇用率の算出基礎に精神障害者が初めて加わるため、法定雇用率も二・三パーセント程度になると言われています。必ずしも雇用しなければならないわけではありませんが、法定雇用率が上がるので、必然的に精神障害の方の雇用も増加すると言われています。 精神障害者の方の就職者数は年々増加傾向にありますが、一つの職場を続けることが難しいと言われております。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構によれば、精神障害者の方の定着率は四九パーセントとのことです。 先日、知人の精神科の看護師からこんな話を伺いました。その病院に通っている精神障害の方は、数か月で会社を転々としている例がよく見受けられるとのことです。そして、仕事を辞めたり転職をしたりするたびに精神状態が不安定になっていくとのことです。精神障害者の方の就労については、できれば同じ会社で安定的に仕事をしていただくことが精神と生活の安定につながり、望ましいことと考えます。一度雇用してもすぐに辞めてしまうのは、雇用する側にとっても大きな損失です。精神障害の方もやりがいを持って仕事をして、生き生きと生きていける社会の実現が必要だと考えます。 質問は、平成三十年度からの精神障害者雇用義務化に向けて、精神障害者の更なる雇用の促進と定着率の向上のために、精神障害者でも勤続年数が長い方の特徴や、障害者雇用優良企業などの中で定着率の高い企業の取組などを参考にして、どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。 次に、公共サービス基本条例について、企画財政部長に質問をいたします。 国会において、平成二十一年に議員立法により全会一致で公共サービス基本法が成立しました。法律の目的は、国や地方自治体が提供する公共サービスが国民生活の基盤となることに鑑み、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、公共サービスに関する施策の基本となることを定めることにより、国民が安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することです。 県民のニーズは、医療、介護、福祉、子育て支援、教育、インフラ整備など多岐にわたっております。法律の理念を生かし、公共サービスを必要とする県民に過不足なく質の高い公共サービスを提供して、公共サービスに関する情報提供や住民の意見を反映するために、公共サービス基本条例が必要だと考えます。この件については、昨年六月議会で会派の山本議員も質問をされています。そして、公共サービス基本条例と車の両輪をなすとも言われている公契約条例が、昨年十二月に越谷市で県内二番目に成立しました。法律の施行から七年が過ぎましたが、現在のところ、公共サービス基本条例を制定した自治体はありません。 質問は、県では条例の制定について研究を行っているとのことですが、研究の進捗状況・成果、条例化に当たっての課題、本県としての特色の方向性をどのように捉えているのでしょうか。そして、県で公共サービス基本条例を制定すれば全国初の事例となり、全国をリードできることから期待をしておりますが、御見解をお伺いいたします。 次に、中学生の防災訓練への参加をについて、教育長及び危機管理防災部長に質問をいたします。 昨年夏に行われた所沢市の総合防災訓練に市立東中学校の生徒が参加をして、私も視察をさせていただきました。これは、地域の防災リーダーの方が中学校の校長先生に協力をお願いして実現したものです。炊き出しや救出訓練などに参加をして、生徒からも「地域の人たちの期待を感じる」との声があり、地域の方からは「頼りになる」と評判が良かったとのことです。参加目的は、一定の体力と判断力のある中学生が災害時の地域防災の担い手として期待をされているからです。平日の昼間に発災した場合には、勤労者などは地域におらず、高校生も地域から離れています。こうした防災訓練へ中学生が参加する場合には、地域の自治会や防災リーダーの方が各学校の校長先生などに相談をして実施をするケースが多いようです。学校の運営は、地域の方の協力によって成り立っています。地域の中の学校との認識を教育局としてもしっかりと持ち、災害時の備えをするべきだと考えます。 県では、平成十八年に埼玉県、さいたま市、明治大学の共同研究により、中学生向けの危機管理、防災に関する教材を作成し、活用しています。改訂される学習指導要領には、「防災教育の充実」が盛り込まれています。教育の現場で防災についての学習を行ったり、訓練に参加したりすることは大変意義のあることだと考えます。 質問は、一点目、こうした取組を参考にして、どんな課題があるのか、また、どんなことが期待をされているのか検証を行うべきだと考えます。中学生が防災訓練に参加をして、防災の担い手として期待されることの意義を教育長にお尋ねをいたします。 二点目、現在は、地域の防災リーダーの方と各中学校長の判断により、こうした訓練への参加が行われていますが、全県的にこうした取組を広げていくためには、県としての方針を示すなど枠組みが必要だと考えますが、危機管理防災部長に御見解をお伺いいたします。 次に、大型物流倉庫の火災対策について、危機管理防災部長に質問をいたします。 二月十六日に、三芳町にある国内最大級の鉄骨構造三階建ての大型倉庫で火災が発生いたしました。一階から出火をして、二階、三階へと延焼いたしました。黒煙が立ち上ったり、大きな爆発音が響いたりして、焼損面積は約四万五千平方メートルに及びました。そして、周辺六世帯十六人に避難勧告が出され、周辺の道路が通行止めにされるなど、大きな影響を与えました。私の自宅からも煙が見えたほどでした。県では、情報連絡室を設置して、埼玉SMARTを出動させるなど対応したと伺っています。 一階部分は早期に消火できたものの、窓が少ない二階、三階部分には外からの放水が倉庫内になかなか届かない状況でした。爆発があったり、建物が倒壊する可能性があったりしたことから、中に入っての消火活動も難航しました。そのため、重機で壁に穴を開けて放水を行いましたが、内部の空間が広いこともあり、消火が遅れました。そして、発生から六日後の二月二十二日になり、ようやく鎮圧いたしました。 質問は、県内にはインターチェンジ周辺を中心に同様の構造の大型倉庫が増加しています。建物の構造上は消防法に適合していたとのことです。しかし、六日間にわたり燃え続け、周辺の住民の方が避難を余儀なくされるなど大きな不安を与えたことからも、今回の火災を県としてしっかりと検証して、対策が必要だと考えます。火災の原因や鎮火が遅れた原因、今後に向けての取組など、危機管理防災部長の御見解をお伺いいたします。 最後に、台風九号の被害から、今夏の豪雨への備えは万全かについて、県土整備部長に質問をいたします。 昨年八月二十二日に、所沢市など県西部地域に大きな被害をもたらした台風九号の被害対策について、昨年秋の所沢市内東川流域での説明会に続き、今年に入り、市内柳瀬川流域の二か所で説明会があり、多くの住民の方とともに私も出席をさせていただきました。説明会では、降雨の状況と氾濫をした河川の特徴、浸水被害の状況及び原因、今後の対応についての説明が川越県土整備事務所からありました。その後、質疑応答となりましたが、抜本的な河川の改修時期が未定であることや、当面の対応について、また情報収集や迅速な広報などについて、様々な不安と怒りが噴出しました。 質問は、一点目、県には今後も同規模の集中豪雨が発生することを十分に認識していただき、県民の命を守るために、住民の不安や怒りをしっかりと受け止めていただきたいと思います。その上で予算を確保していただき、柳瀬川、東川、不老川などの改修など抜本的な対策を求めますが、今後どのように取り組んでいくのでしょうか。 二点目、今年の夏の台風・豪雨時期までの当面の対応として、柳瀬川では今回氾濫した箇所の護岸のかさ上げや河床の土砂の撤去、河川内の樹木の撤去などを行うとのことですが、具体的なスケジュールをお示しください。 三点目、東川については、下流にある日比田調節池の整備を促進するとのことです。柳瀬川の氾濫対策には、下流にあり、東京都が管理する金山調節池の拡張も有効だと考えますが、御見解をお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○石井平夫副議長 二十九番 水村篤弘議員の質問に対する答弁を求めます。       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 水村篤弘議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに関する諸問題についてのお尋ねのうち、オリンピック・パラリンピックに関するこれまでの迷走の原因はどこにあったのかということでございます。 経費の削減方法や競技会場の変更などをめぐる迷走の大きな原因は、既に決まったことに対して、公式の場以外のところから、決定とは異なる様々な意見が出てきたことだと思っております。その結果、一方的な報道だけが先行しています。さいたまスーパーアリーナがバスケット会場の追加会場として本県に要請があったときは、森喜朗大会組織委員会会長や東京都副知事がわざわざ埼玉県庁にお越しになられました。一連の動きの中では、大会組織委員会や東京都から関係自治体への丁寧な説明が欠けている、このように私は思っています。まずは東京都、大会組織委員会、国の三者が緊密な連携の下に、責任を持って進めていかれることが重要だ、このように思います。 次に、仮設費用に関する考え方についてでございます。 競技会場の仮設整備をはじめとする大会の運営に掛かる経費は、大会組織委員会並びに大会を招致した東京都が負担すべきものでございます。東京都がIOCに提出した立候補ファイルでも、大会組織委員会が負担することとされており、本県としてもそれを大原則として会場をお引き受けいたしたところです。メディアでは、仮設整備費について、出どころが分からない数字がいろいろと出回っています。しかし、いまだにどなたからも仮設整備の負担に係る正式な交渉や申入れはありません。このようなことから、仮設整備費については大会組織委員会が負担するという原則どおりに進められるものと認識しています。 次に、仮設以外の関係経費の負担に関する考えについてでございます。 議員お話しのとおり、大会を開催する会場の整備のほかにも、多くの業務がございます。そのうち、大会運営に係る輸送やセキュリティなどは大会組織委員会が担うことになっています。大会に向けた、本県をはじめとする関係自治体の役割は、警察による警備、消防や救急搬送など、本来業務としての行政サービスを適切に実施する、そのことであります。さらに、本県は大会運営を支援する立場から、機運醸成や都市ボランティアの育成、国内外からの観戦客のおもてなしの対応などを実施しなければならないと考えております。いずれにしても、オリンピックでは四会場、パラリンピックでは一会場を受けている埼玉県は、会場自治体として、大会組織委員会並びに東京都を全力で応援いたします。 次に、実効性のある少子化対策についてのお尋ねでございます。 生産年齢人口の減少などの人口構造の変化に挑戦していくには、少子化対策に今から腰を据えてしっかりと取り組んでいく必要がございます。昨年四月に、県内全ての市町村が参加する埼玉県少子化対策協議会を設置し、知恵を出し合ってきました。そこでの議論を踏まえて、平成二十九年度からは総合的な不妊対策としてウェルカムベイビープロジェクトを実施することといたしました。不妊対策のためには、まず、若い世代のうちに妊娠、出産、不妊に関する正しい知識を身に付けていただき、ライフプランを立ててもらうことが非常に重要であると考えます。 そこで、県内の高校二年生、三年生全員に不妊に関する知識を分かりやすくまとめた冊子を配布し、併せて、助産師による出前講座の拡充も図ってまいります。また、婚姻届を出された夫婦には、こうのとり大使でありますダイヤモンド☆ユカイさんからの温かい応援メッセージカードをお渡しいたします。新たに検査費用を助成することもあり、このメッセージが夫婦そろって気軽に不妊検査を受けるきっかけとなることを期待するものでございます。 また、より早く不妊治療を始められるよう、妻の年齢が三十五歳未満の夫婦に対して、初回の治療に対しては、これまでの助成費三十万円に更に十万円を上乗せいたします。二人目、三人目を望む夫婦に対しては、これまでの国の助成回数に加え、出産ごとに最大六回まで県独自に不妊治療費に対する助成を行うことといたしました。また、働いている方が不妊や妊娠について相談しやすいよう、現在、平日のみで行っている電話相談を隔週土曜日の十二時から十九時にも拡充いたします。 昨年十月の九都県市首脳会議では、妊娠、出産、不妊に関する知識の普及啓発などの取組を連携して行うことを提案したところ、首長の皆さんからの賛同の声をいただきました。今後、具体的な連携に向けて協議を進めてまいります。ウェルカムベイビープロジェクトにより、子供を望む夫婦の願いがかなえられるようにしっかり取り組んでまいります。 最後に、保育ニーズの正確な把握と休日保育の充実についてのお尋ねのうち、待機児童の正確な把握、定義の仕方、休日保育のニーズ把握についてでございます。 待機児童については、国が定めた基準に基づき、保育の実施主体である各市町村が保護者の状況等を踏まえて把握しております。しかし、保育所に入所できずに育児休業を延長した場合などに、その子供を待機児童にするかどうかについて、市町村により異なるとの指摘もございます。現在、国において待機児童の定義の見直しを進めております。このため、国の見直しの結果を踏まえて、統一的な基準により待機児童数を把握するよう、市町村に働き掛けてまいります。 また、休日保育のニーズは、子ども・子育て支援法において、必要とする子供の数、保護者の意向などを勘案して市町村が把握し、計画的に提供体制を確保することになっております。市町村には、きめ細かく対応できるよう働き掛けをしてまいります。 次に、試験的に駅の近くなど利便性の高いところで休日保育が実施されるよう市町村と連携できないかについてでございます。 どのような場所で休日保育を実施するかについては、市町村がニーズを踏まえて決定いたします。県としては、休日保育を行う市町村に対して、国が定める基準に従って相当額の財政支援を行っております。 次に、保育士確保のために、県独自に休日保育加算の上乗せができないかについてでございます。 先ほど申し上げましたように、休日保育を実施する保育所に対し、県は人件費などの経費として国が定める額を財政支援をしております。議員から休日保育加算の上乗せについてのお話をいただきましたが、現在のところ、市町村から県に特段の要請が来ていない状況でございます。今後、市町村からそのような要請があれば、休日保育の加算額の充実については、国にしっかり対応するように要望を重ねて、受け止めていきたいと考えております。御理解を賜りたいと思います。       〔田島浩福祉部長登壇〕 ◎田島浩福祉部長 御質問四、子ども食堂の取り組みを広げようについてお答えを申し上げます。 まず、子ども食堂を制度として位置付け、運営場所の情報提供や人材育成などを行えないかについてでございます。 子ども食堂については、NPO法人やボランティア団体などにより活動が広がっております。国と連携して子どもの貧困対策に取り組んでいる日本財団では、子どもの貧困対策プロジェクトを進めております。この取組には、家でも学校でもない「第三の居場所づくり」として、モデル的に全国で百か所の拠点を設置することが盛り込まれております。この第一号の拠点が、昨年十一月に戸田市に開設されました。県では、こうした取組の状況などを見ながら、子ども食堂に対し県としてどのような支援ができるのか、検討してまいります。 次に、認定制度を導入し、広報を行うことができないかについてでございます。先ほど申し上げた取組の状況などを見ながら、併せて検討してまいります。 最後に、県として助成金制度を創設することはできないかについてでございます。 国が定めた子供の貧困対策に関する大綱に基づき、子供の未来応援基金が創設され、NPO法人やボランティア団体などが実施する子ども食堂などの取組に対する支援が始められたところです。具体的には、支援を必要とする子供たちの居場所を設け、体験学習や食事の提供を行っている団体への補助を実施しております。補助が必要な団体には、この制度の活用を働き掛けてまいります。 次に、御質問五、福祉行政のあり方についてお答えを申し上げます。 障害福祉サービスについては、市町村が障害者の方の具体的な利用意向を聞き取り、希望するサービスの提供が可能かを適切に判断する必要があります。このため、県は毎年四月、新たに障害福祉の業務に従事する市町村職員に対して、制度の基本的な知識を習得してもらうために研修を実施しております。また、国が法令や制度を改正した場合には、市町村に対し説明会を開催するとともに、住民の方に分かりやすく周知するよう依頼しているところです。さらに、県では定期的に市町村を訪問し、制度運用上の疑問点や問題点について助言を行っております。 議員からお話のありました複雑な障害福祉サービスと介護保険サービスの適用関係につきましては、分かりやすい資料を作成し市町村に通知するとともに、今後の研修などの中で十分説明してまいります。また、今後、制度が適正に運用されていない事例が確認された場合には、市町村に通知をするなど、しっかり支援してまいります。 県といたしましては、複雑な制度の理解を深めるとともに、市町村に対し丁寧に対応し、制度が適切に運営されるよう努めてまいります。 最後に、御質問六、介護認定審査日数の短縮と介護職員の負担軽減策についてお答えを申し上げます。 要介護認定の審査日数の調査や申請書の様式の統一を可能にするため、各市町村が統一的に使えるシステムを県が主導して開発できないかについてでございます。 市町村は、要介護度や介護サービスの利用状況などの被保険者の情報管理を行うため、介護保険システムを導入しております。このシステムは、市町村によって異なった業者のシステムを採用しており、住民基本台帳システムや税務システムと連動させ、一体的に運営されております。このような状況ですので、県が主導して各市町村が統一的に使えるシステムを開発することは難しいと考えております。 なお、議員お話しの要介護認定に係る審査日数については、平成二十六年に調査したところです。今後、市町村の事務負担などを考慮し、適宜調査を実施してまいりたいと考えております。       〔立川吉朗産業労働部長登壇〕 ◎立川吉朗産業労働部長 御質問七、精神障がい者の雇用についてお答えを申し上げます。 働く意欲のある精神障害者は年々増えておりますが、精神障害者は雇用管理が難しいのではないかとの不安から、雇用をためらう企業もあります。精神障害者雇用の促進には、企業の理解と協力が極めて重要です。県の障害者雇用サポートセンターでは、障害者雇用優良事業所などの先進企業の見学会やセミナーを開催し、雇用している障害者と定期的な面談を実施している企業や社内理解の促進に努める企業など、好事例の共有を進めてまいりました。平成二十六年度からは、精神障害者の雇用管理を経験したアドバイザーと精神保健福祉士を一つのチームとし、企業に派遣しております。企業のニーズに応じて、精神保健福祉士が社員研修の講師を務め、病気の特性やどのような配慮が必要かなどを専門的視点からアドバイスし、社内全体の理解を深める支援をしております。サポートセンターのこれらの取組によりまして、平成二十八年度は一月末現在で、精神障害者百七十八人を含む四百九十三人の雇用に結び付けることができました。 また、精神障害者が安定して働き続けられるよう、定着支援も重要でございます。そのためには、まず就職前に、個々の障害者の能力や適性とその仕事の内容が合っているかを慎重に見極める必要がございます。サポートセンターでは、就労支援機関の職員や障害者自身に企業を見学してもらい、事前に仕事内容を十分に理解してもらうなど、丁寧なマッチングを行っております。その上で、三日から五日程度の短期間の職場実習を行い、精神障害者と企業のそれぞれに雇用のイメージをつかんでもらっております。さらに、就職後のフォローアップを図るため、企業にジョブコーチの派遣もしております。ジョブコーチは国が認定した専門家で、事業主や障害者だけでなく、その家族にも助言を行い、障害者が職場に適応するための支援を行います。平成二十八年度は一月末までに九十八人の定着支援を行い、現時点で離職者はございません。 一方、企業の理解はもとより、精神障害者御本人の働く準備を整えることも必要でございます。精神障害者の職場定着が難しいとされる背景の一つに、御本人の体調管理も含め、働く準備が不十分なままに就職したため仕事が続かないという場合がございます。そのため、一人一人の能力と適性に応じて、就職に必要な技能習得とともに、社会生活や職場への適応力を向上させる職業訓練も充実させてまいります。 今後とも、一人でも多くの精神障害者が希望する仕事に就くことができるよう、雇用の促進と定着に取り組んでまいります。       〔中原健一企画財政部長登壇〕 ◎中原健一企画財政部長 御質問八、公共サービス基本条例についてお答えを申し上げます。 平成二十一年七月に公共サービス基本法が施行されました。この法律では、公共サービスは国民生活の基盤となるものであることに鑑み、公共サービスの基本理念や、国、地方公共団体の責務などについて規定がなされております。 地方公共団体については、安全かつ良質な公共サービスが確実、効率的、適正に実施されることなど、法律に定められた基本理念にのっとり、公共サービスの実施に関する施策を行うなどの責務があるとされているところでございます。 御質問の公共サービス基本条例につきましては、法律に直接的な根拠がないため、県では、その必要性などを中心に研究を進めているところでございます。これまで、条例制定の目的、規定すべき施策などについて関係課で意見交換を行ってまいりました。県では、既に、指定管理者制度における役割分担の明確化、あるいは県民コメント制度や知事への提言制度などの公共サービスの向上に資する各施策を実施しております。このため、県として法律に加えて新たに条例化を必要とする事項の洗い出しが課題となっております。 県としましては、引き続き関係部、関係課で連携いたしまして、公共サービスの向上のための取組を進めるとともに、条例について研究してまいります。       〔関根郁夫教育長登壇〕 ◎関根郁夫教育長 御質問九、中学生の防災訓練への参加をについてお答えを申し上げます。 現在、県内各学校においては、東日本大震災などの教訓を踏まえ、その学校の立地条件や子供の発達段階に応じた防災教育の推進を図っております。中学校段階においては、日頃の備えや地域の防災活動の大切さを理解し、主体的に活動できる生徒の育成が求められており、地域における中学生への期待は大きいものがございます。中学生が地域の防災訓練に参加することは、各学校で行われる防災教育の成果を実践する場として大変効果があると考えております。さらに、中学生がこうした訓練を重ねることで、地域の防災力の担い手となることが期待されます。 県では、現在、文部科学省の委託を受け、市町村による防災教育の指導方法などの研究を進めているところでございます。市町村からは、地域の防災訓練で中学生が応急手当の仕方や単身高齢者の安否確認、避難者の誘導方法を学び、共助の担い手として活動する事例が報告されております。一方、課題としては、防災訓練の日時の調整や実際の災害発生時における中学生の安全を確保した上での支援活動の在り方などがございます。今後、こうした課題につきましては、市町村とともに検討してまいります。 県といたしましては、中学生が地域の防災活動に参加している事例の成果発表を実施するとともに、こうした事例を含めた防災活動をまとめた冊子を市町村や学校に配布してまいります。引き続き、中学生の防災教育の充実に取り組んでまいります。       〔槍田義之危機管理防災部長登壇〕 ◎槍田義之危機管理防災部長 御質問九、中学生の防災訓練への参加をについてお答えを申し上げます。 中学生の防災訓練への参加を全県的に広げるための枠組みについてでございます。 平成二十七年度の埼玉県地震対策セミナーでは、群馬大学の片田教授に「災害にも強い地域の在り方を考える」というテーマで講演いただきました。講演の中で、岩手県釜石市の中学生が、小学生や保育園の子供たちを連れて率先して高台に避難させたことで多くの命が助かったというお話をいただきました。「釜石の奇跡」と言われているお話です。中学生が日頃の防災教育で学んだことを生かし、自ら判断し行動することができた模範的な事例として、大変参考になります。 一方、現在、地域防災の要である自主防災組織は、主に地域の自治会を母体としておりますが、構成員の高齢化が大きな課題となっております。このため、地元の中学生が自主防災組織とともに訓練に参加し、自分たちで地域を守るという共助の意識を育むことは、災害に強い地域をつくることにつながります。県では、自主防災組織の活性化に向けた先導的取組を行う市町村に対し、来年度、支援制度を創設する予定です。この制度を活用し、市町村と自主防災組織、そして中学校が連携して、地域の防災力を高めるような取組を支援することも視野に入れてまいります。また、支援対象となった優れた取組については、報告会を開催するなど成果の情報提供を行い、県内全域への普及拡大を図ってまいります。 次に、御質問十、大型物流倉庫の火災対策についてお答えを申し上げます。 まず、火災の原因についてでございますが、現在のところ詳細は判明しておりません。今後、消防と警察による現場調査が行われることになっております。 次に、鎮火が遅れている原因でございます。今回火災が発生した倉庫は、延べ床面積が約七万二千平方メートルと広大であり、さらに構造上開口部が少なく、外部からの注水が困難でございました。また、建物内部は濃い煙と熱気のため消防隊の進入が難しく、屋根の崩落のおそれもあり、慎重に消火活動が進められました。さらに、保管されている商品に引火して時折爆発現象が生じ、その都度、消火活動を一時中断せざるを得ない場面もありました。このため、重機で外壁を破壊して複数の穴を開け、その穴から継続的に注水を実施しました。こうして内部温度を下げつつ、状況を見ながら消防隊が内部に進入するという方法をとらざるを得ず、その結果、消火活動に時間を要することになりました。 次に、今後の取組でございます。県では、今回の火災を踏まえ、同様の施設における消火設備や初期消火手順の再確認などを倉庫関係者に注意喚起するよう各消防本部に通知しました。今後、消防等による現場調査が行われ、また、国においても職員を派遣し、徹底した原因究明がなされます。その調査結果を踏まえ、県としても各消防本部とともに大型物流倉庫の防火対策に取り組んでまいります。       〔浅井義明県土整備部長登壇〕 ◎浅井義明県土整備部長 御質問十一、台風九号の被害から、今夏の豪雨への備えは万全かについてお答えを申し上げます。 まず、一点目の柳瀬川、東川、不老川の改修など抜本的な対策の今後の取組についてでございます。 柳瀬川については、所沢市荒幡地区で局所的に川幅が狭く、護岸が崩れ、住宅が被災したことから、応急対応の後、平成二十八年十月に国の補正予算を確保し、速やかに河川改修に着手しております。 東川については、今回の浸水被害を踏まえ、現在建設中である日比田調節池の掘削工事を加速させて、洪水調節容量を増やし、暫定的に洪水を流入させるための工事を行っております。 不老川については、平成二十九年度から六年間で集中的に狭あいな鉄道橋の架換えや河川の拡幅などの整備を行います。 次に、二点目の柳瀬川で今回氾濫した箇所の護岸のかさ上げや河床の土砂撤去などの具体的なスケジュールについてでございます。 被害のあった松戸橋周辺や勢揃橋周辺においては、堆積した土砂や河川内の樹木の撤去を出水期前の平成二十九年五月末までに行い、護岸のかさ上げ工事を九月末までに完了させる予定です。 次に、三点目の金山調節池の拡張についてでございます。 河川改修は、原則として下流から整備を行いますが、平成六年に洪水の受皿となる金山調節池が完成し、現在、その上流を順次東京都が整備を進めております。金山調節池の拡張につきましては、上流の河川改修が進んでいない状況では、調節池に洪水をスムーズに流入させることが困難です。今後は、東京都の河川整備が終了した後、上流部の県施工区間の改修を進めてまいります。また、県施工区間では、早期に未改修区間全体の流下能力を高めるため、特に局所的に狭い部分を広げる工事に緊急的な措置として取り組んでいます。 今後とも浸水被害の軽減に向け、効率的で効果的な治水対策を進めてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○石井平夫副議長 暫時、休憩いたします。午後二時四分休憩          ----------------午後三時二分再開 出席議員    八十九名     二番    三番    四番    五番     七番    八番    九番    十番    十一番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十五番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十八番  三十九番    四十番  四十一番  四十二番  四十三番   四十四番  四十五番  四十六番  四十七番   四十八番  四十九番   五十番  五十一番   五十二番  五十三番  五十四番  五十五番   五十六番  五十七番  五十八番  五十九番    六十番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    二名   二十四番  八十一番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(塩川)  副知事(岩崎)   企画財政部長   総務部長     県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長     福祉部長   保健医療部長   産業労働部長   農林部長   県土整備部長   都市整備部長   会計管理者   公営企業管理者  病院事業管理者  下水道事業管理者   教育長      選挙管理委員会委員長   警察本部長 △再開の宣告 ○石井平夫副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○石井平夫副議長 質疑質問を続行いたします。 四十三番 権守幸男議員       〔四十三番 権守幸男議員登壇〕(拍手起こる) ◆四十三番(権守幸男議員) こんにちは。東七区、春日部市選出、公明党議員団の権守幸男でございます。 党員支持者の皆様におかれましては、日頃からの御支援に感謝申し上げます。また、本日は、大切な大切な二月総仕上げの月末、大変にお忙しいところ、寒い中、県議会にお越しをいただき、誠にありがとうございます。 初めに、春日部駅付近連続立体交差事業についてお聞きします。 私は、昨年二月定例会でこの事業における三つの課題、つまり、まちづくり、事業期間の短縮、財源の確保のほかに課題があるかどうか、さらにこの事業の開始時期についてお示しいただくのはいつになるかと上田知事に質問しました。知事の答弁は「東武鉄道から春日部駅におけるホームの増強等を目的とした輸送改善計画を練り直したいとの意向が示されており、この計画が提出された後、この事業や春日部市のまちづくり計画への影響を把握し、この結果を踏まえ三つの課題の解決を図り、できるだけ早く事業の開始時期をお伝えするように努めます」でした。 その後、私は昨年七月、埼玉県議会東武アーバンパークライン利便性向上促進議員連盟の役員の皆様とともに東武鉄道本社を訪問し、担当部長と計画の提出時期について協議したのをはじめ、翌八月には、期成同盟会の皆様とこの事業の促進に関する要望を知事へ行っています。この間も、私のもとには市民、県民の皆様から、県は事業化を本気で考えているのかとお叱りの声が数多く寄せられております。本当に多くいただいております。 そして昨年十一月末、東武鉄道から提出された輸送改善計画は、これまでと違い、アーバンパークラインのホームを二面四線化と倍増し、スカイツリーラインと合わせて四面八線にするとの提案です。東武鉄道の単独駅としては最大のターミナル駅になるのは間違いありません。本県の東部地域全体の発展につながる大変すばらしい計画です。まず、輸送改善計画についての御所見を知事にお聞きします。 この計画が提出されてから早くも三か月、この間、県は春日部市と東武鉄道との協議をどのように行ったのかについて、併せて知事にお聞きします。計画の提出を待っていると御答弁なさってから数えれば、ちょうど一年です。明快な御答弁を期待します。 ところで、国交省は昨年四月と先月一月、改正踏切道改良促進法に基づき、改良すべき踏切道について全国で五百八十七か所を指定しております。踏切道の撤去を含む安全対策を講じるよう、鉄道会社と自治体に義務付けを行っております。本県はどうなのか。全国で五番目に多い四十五か所が指定されました。このうち、この事業をしなければ除去できない踏切道が五か所も含まれています。実に、その一割がこの事業に絡んでいます。ともかく県主体の事業です。県は今後、都市計画決定の手続、国からの事業認可、そして事業着工まで、乗り越えなければならないハードルが幾つもあります。正に、県は春日部市、東武鉄道との協議をこれまで以上に加速させなければなりません。県が今後どのようにリーダーシップをとり、三者間の協議を加速させ具体化していくのか、併せて知事にお聞きします。 次に、公立高校受検における体調不良者等への対応についてお聞きします。 入試目前の受検生のいる御家庭は、我が子が受検当日をベストな状態で迎えられるようにと心を配ります。親御さんの思い、あとは祈るばかりです。 昨年二月、神奈川県の中学三年生の男子生徒がインフルエンザによる体調不良のまま試験を終え、帰宅後、十分な実力が発揮できなかったことを理由に自殺。母親も、これを苦にして後追い自殺するという事件がありました。大変痛ましい限りです。心から御冥福をお祈り申し上げます。 同じ過ちを二度と繰り返してはならないと、公明党の浮島智子衆議院議員が昨年三月に開かれた文部科学委員会でこの事件を取り上げ「別日程の追試を認めていれば防げたのではないか」と指摘し、文科省に実態の把握と特別措置の在り方の検討を提案しております。 それを受け、文科省は昨年五月、対象となる公立高校入試を行う都道府県や政令市合わせて六十六の各教育委員会宛てに、体調不良者等への対応を記入してもらうアンケート用紙を配布。この結果、昨年十月、十一府県市が昨年春の入試で追試を既に実施していることが判明しております。残りの五十五都道府県市は、いまだに受検日の当日、別教室で試験を受けさせているだけなのです。残念ながら、本県はその一つであります。文科省は、この結果を鑑み、追試を設けるよう特段の配慮を求める通知を出しました。 公明党議員団は今月二月十六日、追試を既に実施している三重県の取組について調査してまいりました。三重県教育委員会の担当者から「三重県は、記録が残る昭和四十一年当時から追試を既に行っています。昨年までは追試の日程が本試験の二日後と間隔が短く、インフルエンザ罹患者には実は対応ができていなかった。昨年、平成二十八年度の入試の際、インフルエンザにかかったまま無理して本試験を受検する生徒が多かったため、平成二十九年度の入試は、インフルエンザ罹患者の受検生にも対応する必要があると考え、入試予定は既に発表、公表をしておりましたが、中学校長会と高等学校長会とも協議を行い、日程を変更しました。校長会では、受検生のために良い方向に変更するのだから異論は全くなかった」とのことであります。 さて、本県は、平成三十年度の入試予定について、昨年五月、既に発表済みです。実施要項作成、発表はこれからであります。文科省からの通知を受け、来年度の入試の際に追試を設けることについて、そもそも検討されたのでしょうか。十五歳の受検生にとって、人生を賭けた一発勝負では大変なプレッシャーがかかり、余りにもリスクがあり過ぎます。平成三十年度の入試まで、まだまだ一年あります。本県は、受検生の側に立って公立高校受検における体調不良者等へ、来年度の入試から追試という特段の配慮の実施を検討するべきと考えます。教育長の御決意をお聞きします。 次に、県営住宅における諸課題についてお聞きします。 先日、県営住宅の入居者の方々から次のような御相談をいただきました。 一つ目は、共益費の集金についてです。現在、入居者が使用するエレベーターなど共同施設の電気、ガス、水道料金を自治会が共益費として算出し、自治会費と一緒に集金しております。特に最近は、共働きの御家庭や母子家庭でお母さんが働いていて御不在がとても多いです。七十四、五歳の自治会の役員の方々が、エレベーターのない団地を五階まで上がっていくんです。不在であれば、冷たい風が吹く日、寒い日なんかは余りにも気の毒であります。また「共益費の未払者ともトラブルになる」「県がこの共益費を家賃と一緒に集めてほしい」との強い御要望でした。先進事例があります。現に大阪府においては、条例や規則等の整備を行った上で、家賃に併せて共益費を一緒に集金する仕組みを導入しております。見解について、都市整備部長にお聞きします。 次に、二つ目は、団地内の清掃活動におけるペナルティーについてです。団地内では、年に数回の清掃活動を実施しております。やむを得ない事情により欠席した場合、数千円のペナルティーを支払わなければならないとのことです。私が独自に調べたところ、高いところですと五千円も支払っている団地がありました。自治会の独自ルールとはいえ、大変高い金額であることに私は驚きました。ペナルティーを徴収する、しない、また、徴収する場合、金額を決めるのは確かに自治会です。だからといって、入居者が自治会の総会でペナルティー徴収について口にすると住みにくくなるから、なかなか口に出せないことがあるのではないでしょうか。県いわく、自治会活動には第三者が口を挟めないとのことであります。本当にこのままで、手を打たなくてよいのでしょうか。見解について、都市整備部長にお聞きします。 次に、三つ目は自治会活動についてです。「入居者の高齢化に伴い、自治会役員の担い手がなかなか見つからず、自治会活動そのものに支障が出始めています」とのことです。今後の自治会活動を停滞させてはなりません。県は、入居者や自治会から御意見や御要望をお聞きする機会を設けるべきと考えます。これにも先進事例があります。例えば京都市は、平成二十四年八月、市営住宅の入居者から自治会活動で困っていることや御要望を聞き取るための実態調査を行っています。京都市の例を参考に実態調査を行うべきと考えますが、見解について、都市整備部長にお聞きします。 最後に、四つ目は建替えについてです。本県は、老朽化が進む県営住宅の計画的な建替えを行っております。建替えが最近終わった住宅の入居者から、次のような話がありました。「団地の敷地内に二段式の自転車置き場が設置されました。特に御高齢の方にとって、日常生活の中で、その都度二段目に自転車を上げるのはおっくうで、体力的に無理です。ここの団地には、入居者用として百八十台相当の自転車が置けるようになっておりますが、約半分の八十五台分が二段目だそうです。そのうち、十台分程度しか使われていません。余っているところは砂ぼこりがたまっていて、使用されている痕跡がありません。また、立派なごみ置き場が設置されました。実は、その場所を防災倉庫として使用したかったんです。ほかには、緑地帯が整備されましたが、草取りなど手入れはどうしたらよいのでしょうか。建替えの前に入居者の声をもっともっと聞いてほしい」とのことです。本県は、今後も建替えを進めなければなりません。見解について、都市整備部長にお聞きします。 次に、福祉人材の確保策についてお聞きします。 昨年十二月の都道府県別有効求人倍率は、全ての都道府県で一を超えるほどまでに回復しています。その一方、介護分野での有効求人倍率は三倍前後で推移しております。雇用情勢の改善に伴い、人材不足が深刻であります。二〇二五年まであと八年、今後、日本一のスピードで高齢化を迎える本県にとって、介護人材の確保と定着は最重要課題の一つです。平成二十四年九月定例会で公明党の提案を受け、県は平成二十五年二月、介護職員しっかり応援プロジェクトチームを立ち上げ、介護職員の確保と定着、さらにはイメージアップの三本柱で取組を始めております。これまでの取組について、介護職員の確保と定着、イメージアップの三つの分野別にそれぞれどのような展開が見られたのか、福祉部長にお聞きします。 また、介護職員しっかり応援プロジェクトチームによる取組の一つとして、本県は、関係五団体の協力により介護職員合同入職式を平成二十五年度から行っております。初年度は、県内二百六十二事業所から約八百人が参加して行われ、今年で五回目を迎えます。さらに、本県は新たに、障害児・者施設へ入職する方に対して、今年の四月、障害福祉施設職員合同入職式を開催されるとお聞きしています。高く評価します。 国は、今後も介護や福祉などの人材不足が進むと見ています。国が平成二十七年四月に設置した介護・福祉サービス・人材融合検討チームは、フィンランドの取組を参考に、福祉・医療人材を養成する際に共通基礎課程を設けることを検討しています。今年の五月に方針を発表する予定です。こういった国の動きの中で、本県は、介護と障害児・者分野を担う福祉人材の確保策について、今後どのように進めていくつもりなのか、見解について福祉部長にお聞きします。 次に、犬猫の殺処分ゼロを目指してについてお聞きします。 本県の犬猫殺処分の現状は、今月二月五日現在で一千百五頭、平成十八年の犬猫殺処分数九千百十八頭に比べ、この十年間で約九分の一にするという成果が出ております。これには、「埼玉県議会動物と共生する社会を推進する議員連盟」の取組や各議員皆様の議会質問も後押しになったものと考えております。 しかしながら、現在推進中である5か年計画には、最終年度である平成二十八年度の目標を一千頭未満と掲げており、現時点で目標を既にオーバーしているのも事実であります。この間、犬の殺処分数は確実に減少の一途をたどっていますが、猫の殺処分数はなかなか減りません。本県の動物指導センターへ持ち込まれる猫の実に八割近くが飼い主のいない猫であり、そのほとんどが生まれたばかりの子猫であります。子猫は頻繁な授乳が必要なため、センターでは飼育ができず、処分せざるを得ないのです。こうした不幸な猫を減らすため、飼い主のいない野良猫に不妊・去勢手術をし、地域の合意を得た上で、トイレや餌やりなどの一定のルールを決め、その猫一代に限り地域で面倒を見る取組が地域猫活動です。 本県は、この活動を推進するため、市町村に対し補助金を交付する制度を平成二十四年度に立ち上げ、平成二十五年度から上尾市、入間市、吉見町の三市町で取組がスタートしました。今年度は十の市町で取り組まれており、合計十三市町で既に取組が行われております。まず、これまで取り組んできた地域猫活動の成果と課題について、保健医療部長にお聞きします。 次に、県からの補助により、平成二十五、二十六、二十七年の三年間、地域猫活動に取り組んでこられた上尾市や吉見町は、県からの補助が終了した平成二十八年度から、独自に地域猫活動を支援する事業や猫の不妊・去勢手術を始めています。先日、上尾市の取組について、市の職員、上尾伊奈獣医師協会の獣医師さんからお話をお聞きする機会がありました。上尾市では、市民が捕獲した野良猫に対して、獣医師協会の協力により無償で不妊・去勢手術を実施しているとのことであります。地域猫活動は継続が重要であります。今後、本県は三年間の補助が終わった後、市町村が地域猫活動を継続できるような支援をするべきと考えます。見解について、保健医療部長にお聞きします。 もう一つの課題は、本県の動物指導センターに持ち込まれた犬猫の譲渡先をいかにして増やすかということです。例えば神奈川県の動物保護センターでは、登録している四十四のボランティア団体がそれぞれに毎月譲渡会を開催しているそうで、今月二月は十六回、来月三月は十二回の開催を予定しております。こういった譲渡会を頻繁に行うことで、動物保護センターに持ち込まれた犬猫が新たな飼い主のもとに行き、何とか殺処分数ゼロを達成しているとのことであります。本県も神奈川県の取組を参考にして、センターからの譲渡を強化するべきと考えます。見解について、保健医療部長にお聞きします。 最後に、犬猫殺処分数ゼロを達成するためには広報啓発活動も重要であります。平成二十九年度当初予算には、地域猫活動の啓発費も計上されたところでありますが、犬猫の殺処分ゼロに向けた取組を県民に広く知ってもらい、県民の協力を得ることが大切であります。それには、県の広報紙、彩の国だよりの一面全面を使うくらいのアピールを是非していただきたい。見解について、保健医療部長にお聞きします。 次に、災害時のペット対策についてお聞きします。 六年前の東日本大震災では、ペットが飼い主と離れ離れになったり、自宅に置き去りにされたまま死んでしまうケースも多くあったそうです。また、避難所においても、放し飼いや夜間の鳴き声によりトラブルが発生するなど、多くの課題が浮き彫りになりました。こうした中、国は二〇一三年、災害時に飼い主とペットが同行避難することを原則とし、また、ペットの受入れが可能となる避難所の整備を自治体に求めるガイドラインを策定しております。このガイドラインを基に、各自治体は災害時のペット対策を進め始めたところです。 しかしながら、昨年四月の熊本地震では、東日本大震災と同様に飼い主と離れ離れになったり自宅に置き去りにされたペットが多く発生。また、ペットと同行避難したものの、ペットの飼育区域が避難所に設けられていなかったために受入拒否されるケースもあったと聞き及んでおります。 ペット連れの避難者が行き場を失っているのです。ペット受入れ可の避難所の整備や、ペットとの同行避難訓練などは市町村の仕事となりますが、本県で具体的に飼育区域を想定して準備されている避難所がどれほどあるのでしょうか。ペットの災害対策についてはノウハウのない市町村がほとんどで、どうしていいか分からないのが実情ではないでしょうか。県が市町村をリードし、支援していかなくては進みません。飼い主の啓発も含め、ペットの災害対策にどう取り組むのか、保健医療部長にお伺いいたします。 次に、「車中泊」避難対策についてお聞きします。 最大震度七を記録した昨年四月の熊本地震では、被災者が自家用車で寝泊まりする車中泊避難を選択するケースが多く見られました。狭い座席に長時間いることで足の血管内に血栓ができ、それが肺に流れ込んで心肺停止など、いわゆる「エコノミークラス症候群」による震災関連死の発生や、避難者の人数や場所の把握に手間取ります。熊本地震は、多くの課題を浮き彫りにしております。 国が熊本地震を検証し、昨年十二月、車中泊避難対策などを含む応急対策・生活支援策の在り方について、報告書を提出しております。また、岐阜県は、車中泊避難対策を盛り込んだ地域防災計画の修正を検討しております。公明党議員団は、今月二月十七日、岐阜県の取組について調査してまいりました。百二十六年前、内陸地震として国内最大規模の濃尾地震に見舞われた岐阜県は、熊本地震を受け、浮かび上がった課題を、予防、応急、復旧の三つに分類し、百十六項目の防災対策の方針を昨年八月に発表しています。車中泊避難者は自然発生してしまう前提に立ち、応急対策の中に、避難所近くにある大型駐車場を事前に把握するなどの方針を新たに盛り込んでおります。 その一方、残念ながら本県の地域防災計画では車中泊避難を想定しておりません。避難所が破損して使用できないなどの様々な理由から車中泊避難は自然発生してしまう、その前提に立って車中泊避難の対策を立てるべきではないでしょうか。本県は、エコノミークラス症候群を防ぐため、医療用の弾性ストッキングを備蓄するほか、注意を呼び掛ける方法を検討する、また、市町村と連携し、あるいは民間事業者と協定を結び、公共施設や大型商業施設の駐車場の一部を避難者用として確保、指定するべきと考えます。車中泊避難対策について、危機管理防災部長にお聞きします。 次に、小型無人機「ドローン」の活用についてお聞きします。 小型無人機「ドローン」は、ラジコン操作をする無人飛行機の総称です。プロペラの風を切る音が蜂の飛ぶときのブーンという羽音に似ていることから「ドローン」と名付けられております。県議会では、ドローンの活用について、自民党の岡地議員が昨年六月定例会で、中屋敷議員が十二月定例会で質問を行っております。本県の県土整備部は、先月一月、建設現場におけるドローンなど情報通信に関する技術の導入を条件とした工事の発注を行い、環境部は今月に入り、不法投棄の監視にドローンの運用を開始しております。 ドローン元年と呼ばれた二〇一五年、新たな飛行ルールや罰則を盛り込み、航空法を改正、強化したものの、ドローンは様々な分野における活用の可能性に着目され、無限な広がりを見せています。今月二月十一日、新宿区や大手損保会社、大学などで構成する「チーム・新宿」が、新宿駅西口エリアの超高層ビル街で、スピーカー搭載のドローンを活用し帰宅困難者を誘導するなど、日本初の大規模な実証実験を行い、大きな話題となりました。本県においても、防災面でのドローンの活用は、情報収集に非常に有効と考えます。 そこで、提案します。例えば災害発生時には現場へ急行し、初動調査で収集した情報を県の災害オペレーション支援システムに反映させる、また、大雪や土砂災害により孤立した地域に衣料品や食料の支援物資を輸送する。様々な活用方法があると考えます。ドローンを防災面で活用することについて、危機管理防災部長にお聞きします。 次に、障がい者の方などにとって分かりやすい選挙の実施についてお聞きします。 昨年七月の参議院議員選挙から、新しく十八歳選挙権が導入されました。高校における主権者教育や模擬投票の実施による効果があったと言われております。 さて、公明党が推進したことにより、平成二十五年五月、成年被後見人の選挙権が回復しました。また、昨年四月より障害者差別解消法が施行され、合理的配慮などの取組が行われているところです。 昨年夏、障害をお持ちの方から、「十八歳になったのですが、選挙に行って投票がスムーズにできるのか」との不安のお声をいただきました。バリアフリーというのは、投票所における階段などの段差をなくすことだけではありません。ソフト面でも、選挙がしやすく、支援をすることが大切であると考えます。しかし、まだまだ行き届いていないのが現状であります。 例えば東京都狛江市では、投票所において支援を必要とする方々への一般的な対応マニュアルを作成しております。内容は、知的、精神、発達障害、それぞれの特徴を踏まえ、接し方や配慮すべき点を具体的に示しております。支援の内容は人によって異なります。その人に応じた対応をすることが選挙におけるバリアフリーです。県は、市町村がこのような環境づくりをするための後押しをすることが大切だと考えます。見解について、選挙管理委員会委員長にお聞きします。 次に、地元問題についてのうち、(一)県道西金野井春日部線の整備についてお聞きします。 県道西金野井春日部線は、現在、国道一六号下柳西交差点から県道春日部松伏線と交わる牛島交差点までを三区間に分けて順次整備しているところであります。これまで一部区間では歩道が整備されたものの、平日の朝夕、土日の昼間の時間帯は特に交通量が多く、大変危険です。老朽化した新幸松橋を取り壊し、この橋の架換工事が行われております。そこで、現在整備が進められている県道西金野井春日部線新川橋の西側から県道春日部松伏線牛島交差点までの区間について、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお聞きします。 最後に、地元問題についてのうち、(二)一級河川・新方川の整備についてお聞きします。 春日部市と越谷市境を流れる一級河川新方川は、国道四号と交わる戸井橋から上流側、浅間川橋りょうの架換工事が順次行われているところです。また、この工事箇所よりも更に上流側、新方川と春日部市が管理する安之堀川の合流部では、平成二十七年九月の関東・東北豪雨の際、安之堀川から新方川への流量が多く、溢水したため、周辺地域は冠水し、大きな浸水被害に見舞われました。そこで、現在整備が行われている浅間川橋りょうの架換工事と新方川と安之堀川合流部の整備について、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長にお聞きします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴、誠にありがとうございました。(拍手起こる) ○石井平夫副議長 四十三番 権守幸男議員の質問に対する答弁を求めます。       〔上田清司知事登壇〕 ◎上田清司知事 権守幸男議員の春日部駅付近連続立体交差事業についての御質問にお答えをいたします。 まず、輸送改善計画についてでございます。 かねてから東武鉄道に要請しておりました輸送改善計画が昨年十一月二十九日に提出されました。従前の計画から大きく変わり、春日部駅における東武アーバンパークラインのホームが増え、東武スカイツリーラインとの相互乗入れが容易になり、運行本数の増加も可能になったものです。これにより、県の東西方向、南北方向を結ぶ交通結節点として、春日部駅の持つ拠点機能がより一層高まることになります。また、東武アーバンパークラインについては、将来の複線化にも対応できる形態とも伺っております。将来的に東武アーバンパークラインの利便性が更に高まり、東日本の玄関口であります大宮駅と成田空港のある千葉県との時間的距離が縮まってまいります。この輸送改善計画は、春日部市のみならず、埼玉県東部地域を更に発展させる可能性があり、先日も石川良三春日部市長ともども評価したところでございます。 次に、輸送改善計画が提出されてからこの間、県は、春日部市と東武鉄道との協議をどのように行ったかについてでございます。 輸送改善計画が提出されたことで、連続立体交差事業と併せて考えるべき鉄道施設の前提条件が明確になりました。今月には、私と根津嘉澄東武鉄道社長との意見交換、また、私と春日部市長との意見交換をそれぞれ行う機会があり、その際に、大枠についてしっかり進めていくことで意見が一致しております。一方、この約三か月間に担当者間で頻繁に協議を重ねてまいりました。現在、三者にとって最良の計画となるよう、鉄道施設の位置や施工方式の検討に着手しております。 次に、今後どのように県がリーダーシップをとり、協議を加速させ、具体化していくのかについてでございます。 踏切除却に加えて、鉄道沿線の利便性を高める輸送改善が実施されることで、連続立体交差事業の意義がより高まったものと考えられます。連続立体交差事業着工までの必要な手続として、国との設計協議、都市計画決定手続、国の事業認可の取得などがあります。これまで以上に地元春日部市と東武鉄道が共存共栄できるような連携を図り、今後、国との設計協議に必要な鉄道施設の位置や施工方式などの検討及び概略設計を進めてまいります。これらの成果を踏まえて、平成二十九年度には国との設計協議を開始したいと考えております。長い間お待たせしましたが、やっとスタートラインに立つことができました。       〔関根郁夫教育長登壇〕 ◎関根郁夫教育長 御質問二、公立高校受検における体調不良者等への対応についてお答えを申し上げます。 入学者選抜においては、事故なく公正公平な選抜が行われることはもちろん、受検する生徒一人一人が持てる力を発揮できるよう配慮することが重要と考えます。 本県の公立高校の入学者選抜では、発熱、せき、おう吐などの症状がある志願者は、本人からの申出や中学校からの連絡により、別室で受検できるよう配慮しております。また、インフルエンザ、ノロウイルス感染症等で受検できなかった場合、その事由を証明する書類を提出することで、調査書などにより当該志願者が不利にならないよう取り扱っております。 昨年十月に文部科学省は、高校入試におけるインフルエンザ罹患者等への特段の配慮を求める通知を各都道府県市に出しました。そこで、県では、インフルエンザ罹患者等に対する追試を実施している他府県に聞き取りを行い、検討いたしました。その結果、追試を実施する場合には、適切な実施の時期、適切な追試問題の作成のほか、実施や採点の日数の確保、新制度の趣旨や方法を周知徹底するための期間などの課題があると考えております。平成三十年度入試の日程は既に公表しており、中学校や高校などがその日程に合わせた行事予定を作成しているところでございます。来年度の入試における追試の実施は難しいと考えておりますが、インフルエンザ罹患者などの受検機会の確保について、引き続き研究してまいります。       〔福島浩之都市整備部長登壇〕 ◎福島浩之都市整備部長 御質問三、県営住宅における諸課題についてお答えを申し上げます。 まず、共益費を家賃と一緒に徴収してはどうかについてでございます。 県営住宅では、エレベーターや廊下など共用部分の電気代等は、共益費として自治会が入居者全員から徴収しております。これは公営住宅法上、県は、家賃や敷金以外の金銭を徴収できないとされているからです。また、自治会が自ら共益費を徴収することによって、低廉な家賃と併せて入居者の費用負担を極力減らすためでもあります。共益費は、エレベーターのありなし、廊下など共用部分の規模や形態などにより、使用する電気代などが団地や建物ごとに異なります。県が家賃と一緒に共益費を徴収する場合、その計算や集金、未納者への督促などの費用が上乗せになります。県で試算したところ、ある団地では共益費が現在の一千二百円から約三千二百円になるとの結果も出ております。その増額分が入居者の負担になってしまいます。 このため、全国のほとんどの都道府県では、本県と同様に自治会が共益費を徴収しております。今以上の負担を望まない方もいらっしゃると思われますので、共益費を家賃と一緒に徴収することは現時点では考えておりません。県といたしましては、自治会の方々が未納者のお宅を訪問する際、埼玉県住宅供給公社の職員が同行し、督促や徴収に協力するなど、引き続き自治会を支援してまいります。 次に、清掃活動不参加のペナルティーがあるが、手を打たなくてよいのかについてでございます。 自治会では、自分たちのことは自分たちで決めるといった自治の原則に基づいて、清掃のほか様々な活動を入居者同士が話し合って決めたルールにより実施しております。不参加者に対するペナルティーについても自治会のルールであり、これまでの経緯や事情があると思います。このため、県といたしましては自治会の意向を尊重したいと考えております。 次に、自治会の高齢化など課題も多いので、実態調査すべきについてでございます。 県営住宅の入居者の高齢化率は約二八パーセントであり、県平均の約二四パーセントより若干高くなっております。お話のとおり、入居者の高齢化も徐々に進んでおり、清掃活動などの自治会活動もやや低調になってきたといった声も伺っております。そこで、県では、団地の活性化が図られるよう、子育て世帯や若年世帯に優先的に入居していただく取組を進めております。住宅供給公社でも、自治会活動への支援や高齢者の見守りサービスなどを実施しております。今後は、自治会が抱える様々な課題を把握するため、御質問の趣旨を踏まえ、実態調査を実施してまいります。 次に、建替え前に入居者の声を聞いてほしいについてでございます。 県営住宅の建替えに当たり、自転車置き場、ごみ置き場、緑地などの付属施設につきましては、建設地である市や町の要綱などに基づいて整備をしております。お話のとおり、二段式の自転車置き場は高齢者にとって使いづらいとの御意見もいただいております。このようなことを踏まえ、平成二十八年三月に県営住宅の整備に関するガイドラインを定め、設計段階から自治会の要望をお聞きすることといたしました。今後も入居者の声を十分お聞きし、生活しやすい県営住宅の整備に努めてまいります。       〔田島浩福祉部長登壇〕 ◎田島浩福祉部長 御質問四、福祉人材の確保策についてお答えを申し上げます。 まず、介護職員の確保と定着、イメージアップの三つの分野別に、これまでの取組についてどのような進展が見られたのかについてでございます。 県では、介護人材の確保、定着は、行政と関係者が一体となって取り組むべき重要な課題と考え、平成二十五年二月に介護職員しっかり応援プロジェクトを立ち上げました。平成二十五年度は、まず、介護職員合同入職式と介護職員・事業所表彰式の二つの事業に取り組みました。平成二十六年度からは、毎年度新たな事業を開始し、現在では十八の事業に取り組んでおります。介護人材の確保につきましては、介護の資格のない方の就労支援や、結婚、出産等を理由に離職した介護職員の復職支援、介護福祉士養成施設の学生に対する修学資金の貸付けなどを行っております。平成二十八年度は、元気な高齢者の介護現場での就労支援などの取組を始めました。介護人材の定着につきましては、介護ロボットの導入費補助や新任介護職員を対象とする研修、交流イベントの実施などに取り組んでおります。 介護のイメージアップにつきましては、県内の介護事業所に勤務する若手介護職員で構成された介護の魅力PR隊による学校訪問や、勤続十年、二十年の職員を表彰する永年勤続表彰などに取り組んでおります。 次に、介護と障害児・者分野を担う福祉人材の確保策について今後どのように進めていくのかについてでございます。 介護人材を確保するため、平成二十九年度は、新たにできる「潜在介護職員の届出システム」を活用し、ニーズに沿った情報を積極的に提供するなど、復職を支援したいと考えております。また、合同入職式と永年勤続表彰を同時に開催し、新人職員に十年、二十年後の自分の姿を想像し、励みにしてもらえるよう工夫するなど、これまで取り組んできた事業についても新たな展開を図ってまいります。 障害分野を担う人材の確保策についても、関係団体と何ができるのか協議を行っております。まずは第一歩として、介護職員しっかり応援プロジェクトの取組を参考に、来年度新たに障害福祉施設に就職する新人職員を対象とした合同入職式を実施することといたしました。入職式に引き続き、障害福祉施設で働くことの意義などについての研修を行うほか、施設の先輩職員から仕事のやりがいなどを直接伝えていただきたいと考えております。こうした取組を進めることにより、今後とも介護と障害分野を担う人材の確保にしっかりと取り組んでまいります。       〔三田一夫保健医療部長登壇〕 ◎三田一夫保健医療部長 御質問五、犬猫の殺処分ゼロを目指してについてお答え申し上げます。 まず、これまで取り組んできた地域猫活動の成果と課題についてです。 県の地域猫活動事業については、平成二十四年度から平成二十八年度までに十三市町が利用しており、制度利用が終了した吉見町では、県の制度同様の助成制度を町単独で継承していただいております。また、上尾市と草加市では、野良猫の不妊・去勢手術に特化した独自の助成制度を創設していただいております。こうした取組により、平成十八年度に四千四百四十頭であった野良猫の収容数を、平成二十七年度末には一千八百七頭まで削減することができました。 現行の地域猫活動推進事業は、市町村に対し、自治会や動物愛護団体の協力の下で、野良猫が問題となっている地区を定めて実施していくことが求められています。一方、市町村からは、この制度を利用したいが、猫の不妊・去勢手術や餌の管理などに協力していただける自治会や動物愛護団体が見つからない、猫の不妊・去勢手術と管理を行う地域猫活動を実施する地区を特定できないなどの課題を指摘していただいております。このため、平成二十九年度から新たに現行の事業に加え、団体の協力や地区の特定を前提としない野良猫の不妊・去勢手術に特化した市町村補助制度の創設を予算案に計上しているところです。 次に、県は三年間の補助が終わった後、市町村が地域猫活動を継続できるような支援をするべきについてです。 地域猫活動推進事業は、事業期間を三年間に限定し、一回のみ助成するもので、限られた財源の中で、より多くの市町村に参加していただくことを想定しております。事業終了後も、三年間の成果を野良猫の問題解決や殺処分削減に生かしていただけるよう、市町村への事業運営や野良猫の飼育方法等に関する助言に努めております。 一方で、各市町村にお住まいの彩の国動物愛護推進員二百三十人が野良猫の不妊・去勢を行う場合、その費用を支援する制度を平成二十九年度予算案に計上いたしました。こうした制度も活用いただくことで、市町村の取組を支援してまいります。 次に、神奈川県の取組を参考にして、センターからの譲渡を強化すべきについてです。 神奈川県では、動物愛護団体が県の動物保護センターから犬猫を引き取り、その後、引き取った犬猫を譲渡しています。このことが神奈川県の殺処分ゼロに大きく貢献していると伺っています。本県でも、現在三十四の団体に譲渡の協力をいただいておりますが、埼玉県で殺処分となる猫の八割以上が子猫です。生後間もない子猫は、昼夜を問わず授乳を行う必要があるなど、飼育に多大な時間と労力を要することから、一般の方に譲渡することは困難です。 そこで、来年度から新たに授乳期の子猫を一時的に預かっていただくボランティアに対し、ミルクの提供や体重計の貸出しなどを行うボランティア支援制度を創設いたします。お話の譲渡に関する先進的な取組を研究するとともに、引き続き協力していただいている団体が行う譲渡会を支援してまいります。 次に、県の広報紙、彩の国だよりの一面全面を使うぐらいのアピールをについてです。 県の犬猫の殺処分ゼロに向けた取組、中でも地域猫活動の推進や犬猫の譲渡は、広報することが極めて効果的です。今後とも議員の御提案を参考に、彩の国だより一面全面はもとより、発信力のある広報媒体を用いて啓発活動の強化を図ってまいります。 次に、御質問六、災害時のペット対策についてお答え申し上げます。 飼い主にとってペットは家族の一員であり、被災者の心の支えとも言える大切な存在です。大規模な災害が発生した際には、飼い主とともに避難所に避難してくることは自然なことです。国が作成した「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、避難所におけるペットの飼育場所の設置を求めております。 しかしながら、東日本大震災や熊本地震においても、多くの避難所で犬猫の受入態勢が整っておらず、他の被災者とトラブルになったり、避難所に入れず車の中で避難生活を余儀なくされるケースが見られました。 本年度、市町村のペット防災に関する状況調査を行ったところ、地域防災計画の中にペット受入れに係る規定があるのは五十八市町村、また、避難所運営マニュアルにまで記載しているのは三十六市町村でありました。避難所におけるペットの受入れに関しては、避難所の開設と運営の主体となる市町村の理解が不可欠です。近年の大規模災害の発生を受け、市町村のペット防災に関する意識の高まりを感じるところですが、具体的な避難所運営マニュアルの整備や物資の備蓄などについては、いまだ課題が残る状況です。ケージや餌など動物用の物品を備蓄しているのは四市町であり、ペット同行避難訓練を実施しているのは八市町にとどまっています。 このため、県では、市町村が運営マニュアルを作成、整備する上で参考としていただくようガイドブックを作成し、三月末までに全市町村に配布いたします。また、県では、市町村に理解を深めていただくため、平成二十七年度から防災担当者を対象とした動物防災研修を行っております。本年度は、避難所の平面図を用い、被災した飼い主の状況に応じて、どこに飼育場所を定めるのか、想定される様々なアクシデントにどう対処していくのかを模擬体験する避難所運営研修を実施したところです。飼い主に対する啓発は、動物愛護週間の駅頭キャンペーンや動物愛護フェスティバル、埼玉県フェアなどのイベントにおいて、同行避難の必要性や日頃からの備えについて訴えております。また、動物愛護推進員の方々にも市町村役場のロビーや公民館での動物防災パネル展などにより、飼い主の方々に働き掛けていただいたところです。 災害が実際に起きた場合は、避難所でのペット飼育に混乱が生じることが予想されます。それぞれの避難所において、飼い主が相互に協力して自主的な管理運営が円滑に行われることが重要ですので、市町村への情報提供はもとより、飼い主に対しての啓発に取り組んでまいります。       〔槍田義之危機管理防災部長登壇〕 ◎槍田義之危機管理防災部長 御質問七、「車中泊」避難対策についてお答えを申し上げます。 平成二十八年熊本地震では、避難所の天井が落下して使えなかったり、子供やペットが周りの人に迷惑をかけるとの気遣いなどから、多くの車中泊避難者が発生し、被災者の情報の把握や支援が困難を極めました。このため、エコノミークラス症候群により亡くなられる方も出てしまいました。 こうした事態への対応としては、避難所において天井などの非構造部材も含めた耐震化を進めることはもとより、多様なニーズに応えられるよう、避難所の環境整備、運営方法の改善を図ること、また、みなし仮設も含めた速やかな仮設住宅の提供が、まずは基本と考えます。 しかし、それでも発生する車中泊避難に対して、必要な支援を柔軟に行えるよう準備を整えることは、防災対策において想定外をなくすという観点から重要なことと考えます。このため、県では、庁内に設置した熊本地震検証会議での検討結果を踏まえ、エコノミークラス症候群を防ぐための弾性ストッキングや使い捨てトイレを備蓄する予定でございます。また、検証会議では、物資支援などを円滑に行えるよう、分散した車中泊避難者を一か所に集めるためのオープンスペースをあらかじめ想定しておくことや、健康被害に対する注意喚起、健康相談を行うことなど、車中泊対策に関する意見も数多く出されています。 避難所避難を原則とし、極力車中泊避難者を出さないよう努力をしつつ、それでも出てしまう車中泊への対応策について、議員の御提案も参考にしながら、避難者対策の最前線を担う市町村と検討を進めてまいります。 次に、御質問八、小型無人機「ドローン」の活用についてお答えを申し上げます。 大規模災害時に救助などの災害対応を円滑に実施するためには、正確な被害情報を迅速に把握することが重要です。熊本地震においても、ドローンが遠隔操作により、人や車などが入ることの難しい危険な場所の調査などに活用されました。 一方で、ドローンを利用するに当たっては、操縦者の技能習熟や安全管理などの課題があります。このため、県では、災害時に民間事業者からドローンと操縦者を組み合わせた形で送り込んでいただけるような協定の締結を検討しているところです。さらに、ドローンで撮影した映像を災害オペレーション支援システムに反映させる方法についても併せて研究しております。 また、国土交通省では、ドローンを常時目視しなくても安全な物資輸送を可能とするドローンポートシステムの検証実験を行い、実用化に向けた環境整備を進めているところです。このように実際の活用が始まったばかりであるドローンは、様々な研究や実験を通じて、より性能が向上し、活用方法が広がっていく可能性があります。今後とも情報収集や事例調査、民間事業者との連携を進め、ドローンの防災面での活用について幅広く検討してまいります。       〔細田徳治選挙管理委員会委員長登壇〕 ◎細田徳治選挙管理委員会委員長 御質問九、障がい者の方などにとって分かりやすい選挙の実施についてお答えを申し上げます。 県選挙管理委員会では、これまでも市町村選挙管理委員会に対し、投票環境の向上に積極的に取り組むよう要請いたしております。具体的には、ハード面においては、投票所にスロープを設置し段差を解消することや車椅子を準備することなどを求めております。また、点字又は音声による選挙公報や氏名掲示を作成し、市町村や障害者団体などに配布いたしております。 こうした取組に加え、ソフト面でも投票しやすい環境を充実させていかなければなりません。まず、自ら投票することができない方が代理投票を行う場合には、きめ細かく対処するため、市町村に対し、意思確認の方法や配慮すべき事項を周知いたしております。また、意志疎通が困難な方を支援するコミュニケーションボードについては、先進団体の取組を参考にして、平成二十六年度に県と市町村の職員で研究し作成いたしました。作成に当たっては、利用者の声を踏まえて文字をできるだけ大きくし、見やすくなるようA三判としております。また、問合せの多い項目の質問と答えをイラストも交えて説明いたしております。平成二十七年四月の統一地方選挙から、全ての市町村が活用いたしております。 さらに、投票する方への支援だけではなく、投票所の職員自らが障害の特徴や接し方などをよく理解することが大切であります。そのための対応マニュアルについては、県内の一部の市町村で作成しておりますので、こうした取組を研究会で取り上げてまいります。 急速な高齢化が進む中では、障害者だけではなく、高齢者も含めた全ての有権者が投票しやすい環境を作ることはますます重要となります。今後も市町村選挙管理委員会とともに投票環境の向上策について研究し、取り組んでまいります。       〔浅井義明県土整備部長登壇〕 ◎浅井義明県土整備部長 御質問十、地元問題についてお答えを申し上げます。 まず、(一)県道西金野井春日部線の整備についてでございます。 この県道は、旧庄和町と春日部市街地を東西に結ぶ幹線道路でございます。御質問の新川橋の西側から県道春日部松伏線牛島交差点までの六百四十メートル区間については、新幸松橋の架換えを含む拡幅整備を進めているところです。現在、用地買収を進めており、買収率は七六パーセントとなっております。また、県道春日部松伏線の右折帯設置に向けた交差点設計にも着手いたしました。工事につきましては、新川橋西側から新幸松橋の手前百六十メートル区間で片側の歩道整備が完了しております。新幸松橋の架換工事につきましては、これまでに仮橋を設置して、古い橋の撤去から下部工までが完了し、現在は上部工の架設工事を進めております。平成二十九年度には、新幸松橋の架換工事を完成させる予定でございます。今後とも地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、早期に整備効果が発揮できるよう事業の推進に努めてまいります。 次に、(二)一級河川・新方川の整備についてでございます。 まず、浅間川橋りょうの架換工事についてでございますが、平成二十五年度に東武鉄道に架換工事を委託する協定を締結後、これまでに橋りょう架換えに必要な仮設桟橋の設置が完了しております。この架換工事は、電車を運行しながらの工事となるため、現在、既設の橋桁を支える仮設杭の工事を進めております。平成二十九年度は、左岸側の橋台の工事と鉄道を横断する歩行者専用地下道の工事を予定しております。 新方川と安之堀川合流部の整備につきましては、合流部を含む百八十メートルの護岸詳細設計を進めております。平成二十九年度は、安之堀川合流部から上流で、関東・東北豪雨の際に堤防が低く土のう設置を行った百メートル区間の護岸のかさ上げ工事を予定しております。今後とも新方川流域の浸水被害の軽減に向け、事業推進に努めてまいります。       〔四十三番 権守幸男議員登壇〕 ◆四十三番(権守幸男議員) お忙しいところ、また、お疲れのところ、再質問させていただきます。 先ほど教育長が御答弁されました公立高校受検における体調不良者等への対応についての再質問でございます。 昨年十月に文科省からのアンケートが公表されまして、先ほど十一府県市が導入をしている、追試をしているというふうなお話をさせていただきましたけれども、実は、今年の一月末に二度目のアンケートを行っておりまして、その結果が二月二十四日の公明新聞と、そして本日の読売新聞の一面に公表されております。 先ほど教育長は、本県においては、体調不良者には別教室で受検を当日受けていただいているということでありますけれども、体調不良の子供たちに無理やり受検させているだけで、教室が別教室であっても熱は下がることはありません。また、書類をもらって、受検できなかった者を書類選考しているというふうに御答弁がございましたけれども、これについて問合せをしているわけではなくて、追試をやるかどうかを聞いているわけでございますので、やっていることを聞いているわけではありません。また、できない理由を様々挙げておりましたけれども、研究すると御答弁がございました。追試をやることを考えること、子供たちの側に立ってやるために考えることこそが、教育者の在り方ではないでしょうか。改めて追試の実施について検討するかどうか、御答弁お願いいたします。(拍手起こる) ○石井平夫副議長 四十三番 権守幸男議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔関根郁夫教育長登壇〕 ◎関根郁夫教育長 権守幸男議員の御質問二、公立高校受検における体調不良者等への対応についての再質問にお答えを申し上げます。 子供たちの側に立ってということでございますので、我々もそういう立場で考えて対応しております。追試をやるだけが子供たちの立場に立っているとは考えておりません。 まず、文科省の通知は、特段の配慮については、追試だけではなく、本県で行っている調査書等を使っての配慮も含まれておりますので、本県では既に文科省のいう特段の配慮は行っております。その前提の上で、追試を行うことについてお答えしますが、インフルエンザに罹患した場合、最低五日間の出席停止になります。私もインフルエンザにかかりましたが、これが治って直後に試験をやるのは、やはり不利です。ですから、そういった意味では、追試をやる際には、恐らく最低七日間はあけないと、本人にとっては非常に不利ということになると私は考えております。 したがいまして、追試を検討する際には、そうした点も踏まえながら、受検機会の確保の観点から研究していく必要があると考えております。          ---------------- △次会日程報告 ○石井平夫副議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明三月一日は午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告 ○石井平夫副議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時十一分散会          ----------------...